「天聲人語」と云ふ語には、出典が無いさうである。
- 「天聲人語」はラテン語のことわざの譯、といふまちがひ
- 天聲(民の聲)といふ漢語がある、といふまちがひ
- 天聲といふ日本語がある、とするまちがひ
- 人語は民の聲であるとするまちがひ
8世紀イギリスの聖職者アルクインの書翰に
、Vox populi vox Dei
と云ふラテン語の文章がある。民の聲は天の聲
と屡々譯されるが、前後の文脈を含めて譯すと、民の聲は天の聲、と言ふが、そんなことばに耳をかたむけてはいけない。人民の騷ぎは常に狂氣に近いのだから
、と云ふ事になるのださうである。
しかし、そもそもこの諺と朝日新聞の「天聲人語」とは直接の關係がないのださうである。このタイトルは西村天囚が考へ出したもので
あるさうである。