制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
初出
「闇黒日記」2002-12-02
「闇黒日記」平成13年4月7日
公開
2001-06-22
改訂
2001-12-14

障がい者

多摩市の「姑息な」言換へ

多摩市が「障害者」を「障がい者」と表記する事に。

讀賣新聞はよりによつて石堂淑郎氏にインタヴュー。石堂さん、當然のやうに、お役所的な、姑息な手法言葉の表面だけを改めても根本的な問題解決には役に立たない。「がい」とはどう云ふ意味かと聞かれると「害」と説明するしかない。何でも易しく書き改める今の風潮は、言葉自體の命を奪ふ恐れがあると囘答。讀賣新聞平成12年12月1日附朝刊

ちなみに「障害」は、正しくは「障礙(碍)」と書く。「障礙」の「礙」は「礙子」の「礙」と同じ。は「さまたげる」「へだてる」「ささへる」の意。もつとも、「障礙者」自體が「片端」の言換へなので、話は實にややこしい。片端→障礙者→障害者→障がい者……何囘言換へれば氣が濟むのですかねえ。勿論、永遠に濟まないのです。

言換へがいつぱい

「障がい者」の件。續き。

もともとは「片端」の言替へが「障碍者」であり、その言替へが「障害者」であり、それが「障がい者」にまたもや言替へられると云ふのだから、恐らく近いうちに、再び何らかの用語に言替へられるでせう。今度は「障」の字に言ひがかりがつくに違ひない、と推測します。


最近は、言ひがかりをつけた方が勝ち、と云ふ風潮が一般化してゐますからねえ。「自分は弱者だ」と言へば、如何なる相手に對しても強氣で出られます。さう云ふ連中は、どこが「弱者」なのだか、さつぱりわかりません。

多くの場合、「弱者の威」を借りた「市民」が、でかい面をしてゐるだけだつたりしますが。

參考(リンク)