関係ないけど、わたしは個人的には、ネタバレという言葉は音も悪いし、意味的にもおかしい気がして好きではない。せめてネタ「バラシ」であろうとおもうのだが、これもあんまり音が良くない。で、普段は「ネタを割る」、とか「ネタ割り」という言葉を妥協して使っているんだけど、だいたい「ネタ」という言葉自体があんまり美しくないのだな。
「ネタ」は、「たね」をひつくり返した隱語です。印象の良くないのはそのせゐです。「ネタバレ」と言つてゐますが、要は「種明かし」の事です。
『探偵小説の「謎」』(江戸川乱歩著・現代教養文庫)は、ネタバレしか書かれてゐない面白い本です。まあ、今の推理小説では使へないアイデアばつかりで、安全無害だつたりしますが。
乱歩は「トリック」と言つてゐますね。今のミステリファンは「トリック」なんて言はないんでせうけれども、「ネタ」よりは良い感じがしますね。