日本古典文學大系「萬葉集」の卷の月報で大野晋氏が述べてゐる。
昭和二十年一月、お宅の附近に爆撃のあった翌々日、(橋本進吉)先生は、夜中のうちに誰にも知られずに息を引きとられた。先生は、ヤミのものをお買いにならなかったので、栄養失調で亡くなられたものと私は思う。
大野氏は、他の本でも同樣の事を書いてをり、それを參考に、うちのサイトでも「橋本進吉博士は榮養失調で亡くなつた」と書いてゐた(現在は削除してゐる)。
しかし先日、橋本博士の遺族の方からメールを頂戴し、「橋本博士は病死であつた」「榮養失調ではなかつた」との御指摘を戴いた(何うも有難うございます)。上の大野氏の推測は、飽くまで推測であり、事實ではない、との由。
學習院大學における講義でも大野氏はこの説を披露されたさうだが、大野氏に習つた學生の方々は信じないやうに。