制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
公開
2000-11-01
改訂
2001-06-05

茅島篤著『国字ローマ字化の研究 ──占領下日本の国内的・国際的要因の解明──』

檢索中にたまたま發見した記事。參考の爲、轉載する。書籍自體は未見。國語國字改革に關する資料として有益なものであると思はれる。

 本書は,占領下日本における国語改革政策形成について,発掘資料を含む1次資料をもとに,国語改革をめぐる歴史的な事実や人物の動向の正確な把握,戦前および占領期前後の国語改革の位置づけを目指したものである。章立ては以下のようになっている。「第1部 米国側の対日国字ローマ字化」「第2部 米国対日教育使節団の国語改革勧告と日本側の対応」「第3部 米国対日教育使節団の国字ローマ字採用勧告への影響要因」「第4部 ロバート・K・ホールと国字ローマ字化」「第5部 戦前の日本と世界の言語簡易化,音標文字・ローマ字化の動向」。また,前後に序章・終章のほか,「付録 資料編」として,戦後初期の国語改革年表,米国対日教育使節団報告の「国語改革」(1946年・1950年),ロバート・キング・ホール「戦後日本の発展における教育」が収められている。

(2000年3月15日発行 風間書房刊 A5判縦組み 326頁 8800円)

國語國字改革は、氣分に基いて、或は結果論で、論じられる傾向がある。

改革が行はれた當時の實状を考へず、當時の資料を見ないで、「表音的な事は良い事だ」「『現代かなづかい』は既に普及し、一般化してゐる」と云つた「論法」で話を濟ませようとする人が餘りにも多い、と云ふ事だ。少しは調べてから物を言つて呉れ、と、讀者には申し上げたい。

一次資料に當つて調べてゐると云ふ『国字ローマ字化の研究』は、恐らく國語國字改革の是非を考察する一助となるだらうと思ふ。未見ながら、參考資料として掲示するゆゑんである。


とは言へ、今のところ野嵜は本書を直接參照してゐないので、善し惡しを判斷し得ない。直接見た事のある方には、情報の提供を御願ひしたい。