- 制作者(webmaster)
- 野嵜健秀(Takehide Nozaki)
- 公開
- 2000-12-27
- 改訂
- 2005-09-09
國際語
國際語の理念
國際語は、誰もが國際共通語を喋れば、大國の言語とか少數民族の言語とか云つたものによる差別はなくなると云ふ高い理想に基いて考案・作成された。
エスペラント
- エスペラントはザメンホフにより提唱された人工言語。
- ローマ字表記の表音主義に基いてをり、文法や語彙はヨーロッパの言語を基本としてゐる。
- 表記の面では、漢字を使ふ日本人や支那人には馴染めないものとなつてゐると言へる。ザメンホフは無意識の内に、ローマ字表記を用ゐない人間を差別してゐたと非難されても仕方がない。
- 表音主義である爲、現在の日本人には非常に受けが良い。日本人には理解も使用もし難い筈だが、にも拘らず、エスペラントの人氣は日本では高い。
エスペラント以外の國際語
國際語の問題點
現在までの所、いづれの方式とも普及はさつぱり進んでゐない。人工的に作られた言語は、自然に成立・發展した言語には敵はないのであらう。或は、人の認識は、人の生れや育ちと切離す事が出來ないから、異文化間で共通の言語を作る事は本質的に不可能であると云ふ事であらう。
差別をなくしたい、と云ふ理念は慥かに素晴らしい。だが、殘念ながらその爲には人間の均質化が必要となる。差別廢絶には、人間を人間でなくしてしまふ危險が常に存在する。
とは言へ、理念に基いて作られたものは、理念が支持され續ける限り永遠に無くならない。即ち、人間が人間である限り、人間は國際語を作り、用ゐようとする試みをやめない。
- C.K.ブリスの國際語に就いては、今昔文字鏡文字鏡研究会会報第一號を參照した。
- 國際語は、表音主義とは直接關係ない。しかし、屡々表音主義者は國際語に關心を寄せる。
- エスペラント愛好者の主張にも二種類ある。一つは、國語は國語として殘しておいて、國際的な場での共通語はエスペラントで、と云ふ主張。もう一つは、國語を國際共通語であるエスペラントで置換へよう、と云ふ主張。同じ「エスペランティスト」(?)でも、個々の人間によつて主張が異る(とされる)ので、一概にエスペラントを批判すると、批判し損なふ。