史劇四幕七場。明智光秀の謀反を描く。ストーリーはマクベスを下敷としてゐる。
松本幸四郎が光秀を演ずる事を前提に書かれた「歌舞伎の御芝居」。「藝術新潮」一九六一年四月号掲載の福田恆存「松本幸四郎を戒める」に據れば幸四郎から執筆を依頼されたのだつた
との事。
作者の辯に據れば、特に「歌舞伎」「新劇」と云ふジャンルを意識した訣ではなく、飽くまで「史劇」を現代の日本の役者・劇團に提供しようとの意圖で書いたものであるとの事(『私の演劇白書』所收の「『他流仕合』を顧みる」を參照せよ)。「芥川比呂志が光秀を演じてもをかしくない芝居」である。