太宰治全集第十一卷より

書簡

四百九十六

 貴司さんのところへ行つてみましたか? けふ、つぎの原稿受取りました。すぐ読んで面白いと思ひました。だんだん鉱脈に近づいて来ました。この調子です。(ただし、ウソ宇に注意! 五つ六つありました。)これは亀井勝一郎のところへ送りました、彼氏いろいろな雑誌に関係があるやうですから、「りべるて」といふ文学雑誌にどうかしら、と言つてやりました。そのうち何とか返事があるでせう。