太宰治全集第十一卷より

書簡

四百九十一

 拝復 御元気の御様子何よりなり。たゞいま貴稿受取りました。いまちよつと用事があるので、まだ小包をほどかないでゐるが、この小包の中の貴稿、傑作であるやうに祈つてゐる。傑作だつたら勿論、どこかの雑誌にたのんであげます。凡作だつたら、さらにまたまた書いて下さい。

 奥様、お子様、皆様お大事に。

不尽。