太宰治全集第十一卷より

書簡

四百八十七

 拝啓 先夜は失礼、こんどまた何かの機会にゆつくり語り合ひませう。こんどは少し長いものを書いてみたらどうかしら。

「風の便り」そちらにあつたら、御めんだうでも送つて下さいませんか。金木になかつたのです。これはいたゞきたいのです。そのかはりに新本をさし上げます。忍耐して下さい。

不尺。