「文書型宣言でHTML 4.0(4.01)を宣言してゐないと、その文書ではスタイルシートが使へない」と云ふ説がありまして、私も先日までそれを信じてゐたのですが、これは嘘です。考へてみれば至極當り前の事ですが、スタイルシートの規格とHTMLの規格とは別個のものですので、一方の規格が他方の規格に依存する、と云つた事はありません。
HTML 4.0(4.01)でなければ使へないのは、style要素とインラインスタイルシート(style屬性)です。これらに關して、HTML 3.2以前にはきちんとした規格がありません(3.2でstyle要素は「豫約」されてゐただけ)。ですから、以前からlink要素を用ゐて外部スタイルシートをHTML文書から參照する事は可能でした。
そもそも、スタイルシートはCascading Style Sheetsだけではありません。ブラウザが對應してゐれば、HTML文書と組合せるスタイルシートは何であつてもよろしい、と云ふ事になつてゐます。
W3Cは、HTML 4.0の仕樣を公開した際、所謂「物理的」な要素を排除し、「見た目の指定はスタイルシートで」と言ひました。そして、「公認」のスタイルシートとして、W3CはCSSの仕樣を公開しました。その爲、CSSがHTML 4.0專用であるかのやうに、或はCSSとHTML 4.0がセットであるかのやうな印象で、世間には受けとめられたのではないかと思ひますが、兩者の間に密接な關係があるにしても、必然的な結び付きと云ふものはありません。
そもそも、CSS1の勸告の方が、HTML 4.0の勸告よりも先です。