公開
2001-09-08
最終改訂
2001-12-24

ウェブデザイナーになりたいのです

Q

私はwebデザインの学校に通っていました。アルバイトでwebデザインの仕事を探しています。

web制作の相談ではないのですが、よく面接の時に作品を持ってきてくださいとありますが作品を作ったらどういう形でもっていけばよろしいのでしょうか。個人のHPとかもっていないのでURLもないしMOとかもないのですが。やっぱり必要かな。

A

商賣をする時には常に元手が必要であります。

「ウェブデザイナー」として自分を賣込むには、クライアントに「作品」を見て貰はなければならないのでありまして、ウェブサイトを公開しておくとか、MOなどにサイトのデータを燒いて持ち歩けるとかしておかないと、駄目です。經營者が、履歴書も何も無い人を雇はないやうに、ウェブ制作の依頼者は、ウェブを公開してゐなかつたり、データを入れておくメディアを持たない「ウェブデザイナー」と契約を結んだりはしません。

無料でウェブサイトを公開出來るサーヴィスを利用しても構ひませんが、ISPや有料のレンタルサーヴァで公開してゐる場合よりも「信頼性」が落ちる爲、依頼者へのアピール力は下がります。一方、獨自ドメインを取つてゐたりすると、依頼者に強くアピール出來ます。


なほ、制作依頼者は多くの場合、ウェブやインターネットに關する知識がありません。或は、變に偏つた知識しか持つてゐません。「デザイナー」になる場合、さう云ふ依頼者にどこまで附合へるかがポイントになります。

時としてクライアントから理不盡な要求を出される「ウェブデザイナー」には、忍耐力が要請されます。クライアントを説得して「自己流」を押通す事も、口が巧ければ出來るのでせうけれども、多くの場合、クライアントには「きく耳」がありませんし、「デザイナー」にはまはる口がありません。

また、どの世界でもさうですが、世の中は「身内の論理」或は「排除の論理」で動いてゐます。制作依頼者の意嚮に從はないと、「デザイナー」は即刻首になります。特にコンピュータ業界には「宗教的」な信念を持つた人が澤山ゐます。

提言を出さなければ出さないで無能呼ばはりされますし、下手に提言をして論爭しようとすると、喧嘩になります。住みづらい世界です。他の仕事を探した方が、幸せになれる可能性は高いかも知れません。もつとも、この世に幸せと云ふものが存在するのかどうかは、疑問です。