さうでせうか。
ブラウザにも個性があります。それぞれのブラウザには、得手不得手があります。それなのに、一概に同一の表示がなされる事をウェブサイト制作者が希望するのは、いかがなものかと思ひます。
或一つの「見た目」と言ふものは、極めて限定された特定の環境でのみ最適であるに過ぎません。即ち、ターゲットとなる環境以外の環境で、その「見た目」が不適切なものとなる可能性はあります。
Netscape Navigator 4.xで見ばえがするからと言つて、その文書が必ずNavigator 4.xで閲覽されるとは限りません。そもそも、ネットワークに公開された文書がどんなプログラムに利用されるかなど、制作者には豫想できる筈のないものです。取敢ず、ウェブサーヴァに置かれたリソースは、User Agentによつてアクセスされるであらう、と豫想されるだけです。
どのみち、CUI環境のlynxやw3mと、GUI環境のInternet ExplorerやNavigatorでは、同一の「見た目」にはなりつこありませんし、視覺系以外のuser agent──IBMのホームページ・リーダーやVE2000で「見た目」は意味を持ちません。
むしろ、多くの環境に適切に對應出來るやうな形でHTML文書を作つて置いた方が、メリットは大きいでせう。