制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
初出
「kotobaseek」
公開
2001-06-13
改訂
2002-06-22

ウェブサイトとアクセス數

ネガティヴなアクセス向上論

なぜアクセス向上を狙ふのかを、最初に考へて貰ひたい。澤山の人に見て貰へなくとも、少數の仲間内で樂しくやつてゐられればそれで良い、と云ふコンセプトでウェブサイトを運營しても良いからである。實際、仲間内だけのサイトの方が、和氣藹々としてゐて、樂しい事が多い。

アクセス數が増えると、同時に嫌な事も増える。「荒し」等の攻撃を受けたり、ダイレクトメールが大量に屆いたりする。それでもアクセス向上を目指すには、何か積極的な理由があつた方が良い。

アクセス數と閲覽者數は別

アクセス數だけがサイトの價値を表すのではない。同じ100アクセスでも、100人の人に1囘づつ見て貰ふのと、10人の人に10囘づつ見て貰ふのとでは意味が違ふ。後者の方が、そのサイトは魅力的だ。1囘見ただけですぐ閲覽者が別の所に行つてしまふ樣なサイトを作つてはいけない。

本當に好きな事を書いてゐるのなら、同じ趣味・信條の人が何度でも來て呉れる。同好の士は、心強い身方である。新規の閲覽者を稼ぐ努力をするよりも、常連さんに何度も來て貰へるやうなサイトづくりをしたい。

それでもアクセス數にこだはるのなら

ウェブで人氣を得るのも、實社會で人氣を得るのと同じ要領が必要だ。出版社で言へば、編輯と營業の兩方が良くなければ本が賣れない。ソフト會社で言へば、制作と營業の兩方が良くなければソフトウェアが賣れない。

本當に大事な事

強調しておきたいのだが──ウェブサイトの作成者は、常連さんを裏切つてはいけない。それは、アクセス數を稼ぐ事よりも、もつと大事な事だ。アクセス向上の努力を怠つてサイトを閑散とさせてしまつては詰らないが、アクセス數を伸ばす爲にサイトを運營する意味そのものを無くしてしまふのはもつと詰らない事だ。

アクセス數を伸ばす爲に、人に媚びるやうな文章を書いてはならない。好きでもない事を書いて人を集めようとしても、すぐにばれる。ばれたら、閲覽者はすぐに去つてしまひ、二度と戻つて來ない。だから制作者は、自分の好きな事だけを扱ふやうにすべきだ。

ウェブで「何をやりたいのか」を自覺し、自分で決めた道を迷はず進むべし。自分のやりたい事なんて實社會ではさうさう出來ないのだから、せめてウェブでは徹底的にやるべし。

參考リソース