制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
公開
2003-08-04

ユニバーサルHTML/XHTML

「見た目の良さ」を越えた、本質的なウェブデザインについて論じられた初めての書籍で、HTMLに関する基本図書の一冊です。

「情報の共有」をテーゼとし、「セマンティック・ウェブ」について考察する「思想書」です。「ネットワークには共通の規格が必要である、その共通の規格がW3Cにより勧告されたHTML/XHTMLである」とするロジックに基いて書かれた解説書です。

例の「HTMLの骨組み」を最初に提示するのが、個人的には不満です。しかし、「アクセシビリティ」に関して大変に詳しいため、世評は高いみたいです。

大前提は「ネットワークは情報をシェアするためにある」です。この大前提を基に、筆者は一貫した解説を試みます。その意味で、やはり名著と呼ぶに価する本ではあります。

「CSS関係」のサイトでは本書が参考書としてしばしば推奨されます。個人的には、数箇所の記述に異論があります。しかし、議論の対象として採り上げられる、まともなHTML/ウェブの理論書は、たくさんありません。本書は、参考にするにしても、批判的に読むにしても、読者に裨益するところの多い書物です。