制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
公開
2001-06-26
改訂
2008-11-30

匿名發言者へのメッセージ

追記

最早ウェブで個人が「物を言ふ」事は不可能な時代に入りつゝある。一昔前は作るのが當り前であつた個人サイトが、現在は最早新規に作られる事が少くなつてゐる。今は匿名掲示板で遊ぶか、「ブログ」を使ふか、mixi等のSNSの閉鎖的なコミュニティで仲間と御喋りするか――さうした事が普通となつてゐる。

クローズドな場で何かをするか、オープンな場で匿名で遊ぶか、さうでもなければ今のウェブは危險で危險でしやうがない場になつてゐる。オープンな場で名告りをあげて物を言ふ――それが純然たる一個人で、何の肩書きも立場もない場合、ただその人間は、惡意の人物に攻撃をしかけられるだけの存在にしかならない。

ウェブは、惡意の人間が嫌がらせや攻撃を仕掛けるのに、大變都合の良い仕組になつてゐる。最近は、發言しないで、ただ、他の發言してゐる人間に陰から嫌がらせを仕掛け、發言を妨碍する工作を繰返す、さう云ふ、より惡質なユーザが出現してゐる。彼らは單なる匿名の陰に隱れて自己主張するのでなく、自己主張をしてゐる人間の足を引張り、さう云つた人間が自己主張出來なくなるやうにする事で、快樂を得ようとしてゐる。他人の名前を騙つて各地の掲示板を荒らしたり、メールアドレスを各地のアダルトサイトに登録したり――他人が發言する意思を挫いて、失意のうちに潰れて行くのを、さう云ふ、より惡質な、惡意の塊のやうな人間は、見て樂しむ。彼らは殆ど惡魔であり、人間の屑だが、自分は正義の使者だと堅く信じてをり、自分の嫌がらせに抵抗してゐる人間を見て逆恨みをする。要は「ものを言つてゐる」と云ふだけで彼ら惡質な人物は「惡」だと決めてかかり、自己を「正義」だと信じ込んでしまふのだ。こんな異常な人間は、現實社會ではゐても相手にされないだけだし、何をしても放置され、目立てばしよつぴかれるだけなのだが、ウェブでは存分に暴れ廻れる。ウェブはさう云ふ仕組になつてゐるからだ。

罵倒と侮辱だけであつても、それをウェブ上で直接、相手にぶつける人間は、まだ増しなのかも知れない。