- 初出
- PC Tips・PC用語集
- 公開
- 2006-06-23
Windowsの歴史
- 以下の記述には誤りがあるかも知れません。多分沢山ある。
Windows 1.0
- 1983年11月、英語版発表。
- 1985年6月、Windows 1.0英語版発売。
- 1987年6月、Windows 1.03日本語版発売。PC-9800版が発売された。
- MS-DOSから起動し、DOS上で動作する、擬似マルチタスクの操作環境。MS-DOSプログラムしかなかった時代なので、主にDOSプログラムのタスクスイッチャとして使用された。フロッピーディスクベースで運用可能だった。
- リアルモードの8086上で動作し、メモリ保護などの高度な機能は無い。利用出来るメモリ空間としてMS-DOSの640KBの制限があったため、アプリケーションを複数起動するとメモリ不足に陥りがちだった。
- GUIは極めて貧弱なものだった。ウィンドウを重ね合せる事は出来ず、タイリング表示だけが可能だった。ハードウェアの描画能力が低かったためとも説明されるが、Appleの特許を回避するための措置であったらしい。もっとも、VGA以前のCGAやEGAの低い解像度しか利用できない当時のIBM PC(及び互換機)で、この種のウィンドウシステムは未だ実用的でなかったと言って良い。
- シェルはファイラである「MS-DOSウィンドウ」を使用。Mac OSと違って、デスクトップにファイルを置く事は出来なかった。この「MS-DOSウィンドウ」を使用する前提で「プログラムを\windowsディレクトリに集める」仕様が作られたらしい。
Windows 2.0
- 1987年9月、Windows 2.0英語版、Windows/386英語版発売。
- 1988年9月、Windows 2.0日本語版発売。
- 1989年6月、Windows 2.1日本語版発売。
- 1990年2月、Windows 2.11日本語版発売。Windows386 2.11発売。
- MS-DOSから起動し、DOS上で動作する、擬似マルチタスクの操作環境。ウィンドウのオーヴァラップ表示が可能となった点が特筆されるが、既にMacintosh等では一般的であった。画面のデザインはOS/2 1.xのものと類似する。
- 8086用、286用「Windows/286」、386用「Windows/386」のWindows 2.1/2.11が、それぞれ発売された。Windows/286はEMSに対応し、1.0よりはメモリが多く利用できるので、複数のアプリケーションをそれなりに実用的に平行して使用できた。Windows/386は、Intelの386の仮想86モードを使用し、XMSを利用できたり、DOSアプリケーションをマルチタスクで動作させられたりした。
- シェルはファイラの「MS-DOSウィンドウ」。
- 日本ではまともに動くPCが普及価格帯に存在せず、Windows 2.xは殆ど売れなかった。アメリカでは「廉価版OS/2」としてそれなりに受容れられ、Excel、PageMakerがリリースされる等、或程度普及した。
- Windows 386では、386の仮想86モードを利用して、複数のDOSヴァーチャルマシンを起動できる。
- DDE(Dynamic Data Exchange)を搭載。
Windows 3.0
- 1990年5月、Windows 3.0英語版発売。
- 1991年2月、Windows 3.0日本語版発売。
- DOS上で動作するWindowsで、MS-DOS上に導入し、DOSから起動する点では従来と変化なし。OSではなく、OE(Operating Environment・操作環境)である。
- Windows 2.xではモード別に製品が別だったが、それを一つのパッケージに統合したのがWindows 3.0であった。Windows 3.0は、起動時のオプションを指定する事によってメモリ管理の仕組が変化し、リアルモード、スタンダードモード(Windows/286相当)、386拡張モード(Windows/386相当)で動作する。
- (リアルモードを除き)EMSやXMSを利用出来るため、DOSに比べるとメモリの制約は少くなった。386拡張モードではスワップファイルを使用する仮想メモリが利用でき、少い実メモリ環境でも動作は遅くなるもののそれなりにマルチタスクでアプリケーションを利用する事ができた。
- GUI環境の描画を管理し、GUIの部品を提供するGDI(Graphic Device Interface)が導入された。GDIによってハードウェアはアプリケーションには隠される事となり(ハードウェアの仮想化)、アプリケーションはハードウェアの事を考慮する必要がなくなった。また、アプリケーションが利用するGUIの部品がGDIから提供される仕組が整った事により、ウィンドウシステム全体で印象が統一される一方、アプリケーションの開発が容易になった。
- 「プログラムマネージャ」が「MS-DOSウィンドウ」に代ってシェルとなり、2.x以前に比べるとかなり見た目が良くなった。ただし、「プログラムマネージャ」はアプリケーションランチャに過ぎず、ファイル管理には別途「ファイルマネージャ」を使用する必要があった。システムをブラックボックス化し、ユーザが簡単に操作できる様にする意図は明かだったが、却って分りづらいシステムと化した観がある。
- ハードウェアが未成熟だった事もあり、速度向上の観点からノンプリエンプティブマルチタスクの方式が採用された。OSがアプリケーションの動作を管理するのでなく、アプリケーション同士が協調して動作するマルチタスクである。この方式は評判が悪く、アプリケーションがクラッシュすると、Windows自体が動作不可能になる事もあった。アプリケーション自体の出来が未熟だった事もあるが、Windows自体にバグが多かった事も否めない。
- アプリケーションが異常終了する事態はしょっちゅう生じた。その時のメッセージが「修復不可能なアプリケーションエラー(UAE:Unrecoverable Application Error)」である。GDIのヒープメモリに制約があり、アプリケーションを多数起動してその制限に近附くとシステム全体が不安定になった。デヴァイスドライヴァの出来が良くなかった時代であり、Windows 3.0が不安定な印象を強く残した事は否定できない。
- 「実用的」なWindowsとして、アメリカでは爆発的な売行きを記録した。NECのPC-9800シリーズが主流であった日本では、Windowsが実用的に動くコンピュータが殆ど存在しなかったため、Windows 3.0は余り普及しなかった。
- 日本アイ・ビー・エムはDOS/Vを以て日本のPC市場に本格的な復帰を果した。同社が「自社製品向け」のWindows 3.0日本語版を発売すると、一部の先進的なユーザがAT互換機に導入し始めた。日本アイ・ビー・エム版Windows 3.0は、英語版のディスプレイドライバを組込むと日本語の仮名や漢字を表示出来なかったため、当初はPS/55等でしか高解像度で利用出来なかった。AT互換機で日本語版Windows 3.0を高解像度で利用する事が可能となったのは、C・Fコンピューティング社がDDD(Display Dispatch Driver)を開発し、英語版のディスプレイドライバを日本語版Windows 3.0に組込んでもダブルバイトの文字を表示できる様にした結果である。「Windows 3.0をまともに動かせる」事になってIBM PC/AT互換機及びDOS/Vが注目を集め、マニア層を中心としたDOS/Vブームが起った。
- アメリカではWindows 2.0の時点で実用的に利用され始めたWindowsだが、日本では3.0の時代になってもアプリケーションが不足し、依然として「マニアの玩具」であった。
- 日本語版3.0では、独自にWIFE(Windows Intelligent Font Environment)なる仕様の日本語フォント機能を搭載した。ただし、標準環境でアウトラインフォントは未搭載。サードパーティ製のフォントドライヴァとそのドライヴァで利用できるフォントを組込む必要があった。キヤノン等からドライヴァとアウトラインフォントが提供され、Word等のワープロソフトで綺麗な文書を作成出来る様になった。DOSでは一太郎の最盛期で、「Wordと一太郎の対決」といった記事がPC雑誌の誌面に時折現れる様になるのはこの頃から。
- マルチメディアエクステンションは別売り。
Windows 3.1
- 1992年4月、Windows 3.1英語版発売。
- 1993年5月、Windows 3.1日本語版発売。(5月12日にNEC版が、5月17日にMicrosoft版が発売。)
- 日本で成功した最初のWindows。「笑ってお仕事」のキャッチコピーで大々的に宣伝された。日本で一般向けのアプリケーションが揃ってきたのは、Windows 3.1以後の事である。
- DOS上で動作するWindowsで、MS-DOS上に導入し、DOSから起動する点はWindows 3.0と変化がないが、Windows 3.1は単なる操作環境の域を抜け出し始めた。従来DOS経由・BIOS経由だったファイル管理の仕組が変更になり、3.1ではBIOSを経由しないでWindowsが直接担当する。バグフィックスやGDIヒープの拡張などの工夫によって、擬似マルチタスクなのは相変らずだが、安定性が飛躍的に向上、実用性は高まった。リアルモードは完全に切捨てられ、8086では動作しない(日本語版では、286でも動作しない)。
- シェルに「プログラムマネージャ」を採用し、ファイル管理に「ファイルマネージャ」を利用するため、見た目はWindows 3.0と大差ない(「ファイルマネージャ」は徹底的に改良されたが)。TrueTypeフォント機能を搭載し、標準でアウトラインフォントを利用出来る。マルチメディア機能を標準で搭載する。OLEも特筆される新機能である。ワープロやDOS環境に対して優越するところを(部分的にではあるが)はっきり見せ始めた最初のWindowsである。一方、ダイレクトにハードウェアを「叩く」やり方に比べて遅いGDI経由でのグラフィック描画がネックとなり、ゲームがなかなかWindowsに載らなかった。所謂ゲーマーからWindowsは長い間敬遠されたものである。
- 日本語版ではDisplay Dispatch機能を標準搭載し、海外のシングルバイト版Windows用のディスプレイドライヴァを組込める。マイクロソフト版DOS/Vも発売され、Windows 3.1と組合せて、AT互換機で日本語環境を使用するユーザが一般人の間にも増え始めた。
- 「Windows 3.1の日本語化が遅れたのはNEC独自規格のPC-9800シリーズに対応するのに手間取ったため」と噂された。この噂には確証がないが、マイクロソフト版に先行してNEC版が発売されたのは、マイクロソフトとNECとの間に良好な関係がある事を示すものではあった。一方の日本アイ・ビー・エム版の発売は一箇月遅れであった。開発キットがアイ・ビー・エムに到着したのがマイクロソフト版の発売された日であったらしい。当時、Microsoft米本社とIBM米本社との関係は最悪で、それが日本でのDOS/Vブームにも微妙な翳を落とす事となる。
- Windows 3.1は標準でLAN対応ではない。ネットワークドライヴァを含んだWindows 3.1は、アメリカ本国ではWindows for Workgroup 3.11の名称で1994年に発売された。Windows for Workgroup 3.11も、その中身であるWindows 3.11も日本では未発売。
Windows95
- 1995年8月、Windows95英語版発売。
- 1995年11月、Windows95日本語版発売。
- Win16/Win32Cアプリケーションが動くWindows。「Windows4.0」に当るが戦略的な意図で西暦年入りのネーミングが採用された。コードネームは「Chicago」。
- 世界的に大成功となったWindows95だが、特に日本での成功は意義がある。Windowsの一般化によって独自のハードウェアを販売する意味は消滅し、日本のPC業界は大きく変化する事となった。Windows95の出現はそのきっかけとなったものである。
- Windows95は、ブートローダに内蔵のDOSを利用し(DOS用のドライヴァを動作させられる様にするため)、起動後はDOSを休眠させ、Windows自体がシステム全体を管理する。起動のためにDOSは内蔵するが、別途製品のMS-DOSを購入する必要はない。ただし、DOS用のドライヴァが介在する時にはDOSが動き続ける(システムの動作速度が大幅に低下する)。
- 新しい32bitのWindowsアプリケーションはWin32cと呼ばれ、Windows 3.1以下では動作しない。16bitのWindowsアプリケーションやDOSアプリケーションは、Windows95でも動作する。のみならず、DOSのデヴァイスドライヴァにもWindows95に組込めるものがある。古いPCでWin16アプリケーションを実用的な速度で動かすため、Windows95には16bitと32bitのコードが混在する。32bitのコードを動かすのに、16bitコードに変換する場合もある。OSとしては複雑な構造であるが、ハードウェアが未成熟な過渡期のものであり、ソフトウェア資産が多数残る状況を反映したものである。
- 初期のリリースでは大量のバグを含む。エンバグを防ぐため、クリティカルなバグ以外はそのまま残したとされる。
- GDIヒープの制限は16bitアプリケーションに残ったが、32bitアプリケーションには無い。CPUがアプリケーションを監視するプリエンプティブマルチタスクを採用し、Win32アプリケーション単体の暴走は他のアプリケーションに影響を及ぼさない。しかし、16bitアプリケーションは従来のノンプリエンプティブマルチタスクを採用するため、16bitアプリケーションの暴走は16bitサブシステム全体を停止させる可能性がある。ドライヴァの不備・未成熟、古いアプリケーションを動作させる16bitサブシステムの脆弱さ等のために、Windows95は「Windows 3.1に比べれば安定したものの依然として不安定」との評価を免れなかった。
- 「プログラムマネージャ」と「ファイルマネージャ」を統合した、新しいインタフェースを採用。GUI部品も変更され、コモンダイアログも強化された。Windows95の新しいGUIは、全体として、見た目が良くなったのみならず、機能も向上したが、その後のWindowsに基本的に引継がれる事となった。
- 「PCを簡単に使用できる様にする」意図で「Plug and Play」機能を搭載した。ハードウェアの対応がまだまだであったWindows95の時点では必ずしもうまく機能しなかったPnPだが、その後状況はすっかり改善された。現在のIBM PC用の拡張機器はPnPを前提とするものが殆どとなった。
- Windows 3.1でアプリケーションの設定を記録するために採用されたレジストリは、環境設定のデータを一元管理するため、大幅に拡張された。
- TrueTypeへの移行が進んだ事を理由に、日本語版の独自仕様であったWIFEを切捨てた。
- リテール版と、メーカPCにバンドルされるOEM Service Release版とが存在する。リテール版は最後まで同一の内容で、OSRで搭載された新しい機能は搭載されなかった。
- Windows for Workgroupのネットワーク機能は採入れたものの、インターネット時代の到来をMicrosoftは予想出来なかったらしい。標準ではMSN(マイクロソフトの提供するパソコン通信サーヴィス)をユーザが利用する事を想定・推奨する体制をとった。
Windows95 OSR2
- 1996年末頃からPCメーカに供給されたOEM版のWindows95。Windows 95のマイナーチェンジ版である。OSR版はPCメーカやパーツメーカへのOEMの形態でしか提供されず、リテール販売はされなかった。OSR 2と対比的に既存のリテール版を「OSR 1」と呼ぶ事もある。
- OSR2は、Windows 95の単なるバグフィックス版ではなかった。リテール版のWindows95とは機能的に別物であり、寧ろWindows98に近い。USBやIEEE1394等の新しい周辺機器を接続するための新機能を搭載し、FAT32をサポートするほか、メモリ管理機能も強化された様だ。
- OSR 2.1やOSR 2.5等の異るヴァージョンがある。
Windows98
- 1998年6月発売(日本語版は7月発売)。
- Windows 95のマイナーチェンジ版であり、「バグ取り版Windows95」である。が、Windows95 OSR 2でなされた改善が取込まれ、大幅に機能が強化された事は強調されねばならない。メモリ管理の仕組み等、内部的にも改善が見られる。
- 依然、DOSをブートローダに使用する。その点、Windows95と全く変化なしである。一方、システム終了時間が短縮された。
- WDM(Win32 Driver Model)、ACPIとOnNowをサポート。AGPに本格的に対応した。
- 基本的にはWindows95のGUIを引継ぐインタフェイスを採用する。ただ、「デスクトップとインターネットの統合」を謳って、シェル(Explorer)とウェブ機能(InternetExplorer 4)の統合をすすめた(InternetExplorer 4は標準搭載)。当時、InternetExplorer 4の「アクティブデスクトップ」は、賛否両論どころか寧ろ「否」の意見が優勢であり、必ずしも一般ユーザには歓迎されたものでなかった。その後、InternetExplorerがWindowsの機能として組み込まれた事もあり、「アクティブデスクトップ」もまたWindowsの一機能として自然に溶込んだものとなった。
- デフラグで、アプリケーション配置を最適化するモードが追加された。
- 1999年に、バグを修正したService Pack 1(SP1)が提供された。
Windows98 Second Edition
- 1999年リリース。
- Windows98のアップデート版。Windows98初期版を機能的に強化したもの。Windows98 SP1に幾つかの新機能を追加したものである。2006年初頭現在でも、一昔前のPCで実用的に使用できるOSとして利用者が少からず存在する。
- インターネット接続の共有機能を搭載。Internet Explorer 5、Media Player 6.1、NetMeeting 3.0、DirectX 6.1を標準で搭載した。
- USB、ACPI、IEEE1394等の機能強化がなされた。WDM(Win32 Driver Model)サポートは、WindowsMeに先行するもので、WindowsNT用のドライヴァを組込める様になった。
WindowsMe
- 2000年6月発売(日本語版は9月発売)。Windows Millennium Edition。
- Windows9x系列最後のリリース。VideoChipやCPUが64bit〜128bit化された時代に、依然として16bitコードを残す。
- Windows Meは、Windows 2000がコンシューマレヴェルで受容れられ難いものであるため、緊急避難的にリリースされた。新世代のWindowsへユーザやヴェンダを移行させるため、戦略的に新仕様を導入したものである。ドライヴァは一部Windows 2000と共通化(WDM)、GUIもWindows 2000並になった。EasyPCに対応し、カーネルからBIOSやSuper I/Oに依存した部分が排除された。
- DOSから起動するのでなく、直接ブートストラップからWindowsが立上がる。DOSを使用しないのは9x系列ではMeのみ。そのため、config.sysでDOSのドライヴァを組込む事が不可能となった。ただ、DOSは内蔵するので、改造によって内蔵DOSで起動する事もできなくはない。
- カーネルはWindows98 SEと同一のものと言はれるが、内部的には改良されたものであるらしい。メモリの管理機構がWindows95/98とは多少異る。9x系のWindowsに「NT系で実現されるべき機能」が実裝されたためか、Windows98よりも不安定な傾向がある。
- WindowsMeのインタフェイスは、従来のWindowsのものから大きく変更された。新しい「テーマ」が標準で使用されるが、おかげで動作が「もっさり」したものとなってしまった。「テーマ」は、単に従来のGUIの上に「皮」をかぶせただけのものであり、「クラシック」テーマに変更すれば従来のGUIに戻る。
- ムービー メーカー、Windows Media Player 7、Internet Explorer 5.5、NetMeeting 3.1、ホームネットワーク ウィザード等を標準で搭載。WIA(Windows Image Acquisition)を搭載した。マルチメディア対応は従来のWindowsに比べて相当進んだものとなった。
- 設定のバックアップを自動的に取るので、システムが壊れた時にも元に戻せる。ただ、当初、2001年9月8日以降、「システムの復元」が機能しなくなるバグがあった。Windows Millennium Edition の [システムの復元] 機能で、2001 年 9 月 8 日よりも後の復元ポイントが利用できない
- NECのコンピュータ「PC-9800シリーズ」でMeはサポートされない。
WindowsNT
- 1993年、WindowsNT 3.1発売。
- 1994年12月、WindowsNT 3.5発売(英語版日本語版同時)。
- 1995年12月、WindowsNT 3.51英語語版発売。
- 1996年1月、WindowsNT 3.51日本語版発売。
- 1996年9月、WindowsNT 4.0英語語版発売。
- 1996年12月、WindowsNT 4.0日本語版発売。
- IBMと共同開発したOS/2をもとに、Microsoftが独自に作り直したOSである。以前は異常終了した時に「OS/2!!」などとメッセージを吐いたものである。マイクロソフトが自社で開発したOSとしては初めてのもの。
- 16bitコードの残る9x系のWindowsと異り、完全な32bit環境である。9x系のWindowsとは、メモリ管理やプログラム管理の仕組みが根本的に異る。16ビットアプリケーションはVM上で動く。32 bitアプリケーションはそれぞれ独自のメモリ空間で動く。理論的には、個々のアプリケーションが他のアプリケーションを巻込んで落ちる事はない。
- DOS用、Win16用のドライヴァは動作しない。Win32用のドライヴァが必要となる。
- 用途によって、ネットワークサーヴァ用のWindowsNT Server、ネットワーククライアント用のWorkstationの二つに大別される(実際にはもっと細かく分類がある)。ネットワーク機能・セッティングやライセンスの制限が異るだけで、OSとしては同一の内容である。企業向のネットワークOSとの建前上、堅牢なシステムである事を旨とし、派手な機能の実装は遅れがちで、永らく地味な存在であった。
- NT 3.1、NT 3.5等ではAlpha、MIPS、PowerPC等のプラットフォームもサポートしたが、その後はIntel CPU専用のOSとなった。NT 3.51までインタフェイスはWindows 3.1のものと同等、「プログラムマネージャ」をシェルとし、「ファイルマネージャ」でファイルを管理する形式であった。NT 3.1は今一つ普及しなかったがNT 3.5以降は企業での採用が進んだ(NT 3.51は企業で最近まで現役で使用され続けたケースがあった様だ)。NT 3.51は、インタフェイスはWindows3.1なみだったが、APIがWindows 95と共通化され、Windows95と同じアプリケーションが動いた。
- Ver.4以降、インタフェイスがWindows95相当のもの――Explorerをシェルにしたもの――に変更された。「企業向」なる性格も変化し、一般ユーザにもNT系列のWindowsへの移行が推奨され始めた。この間、「DirectXの高速化」を名目に、ウィンドウマネージャとグラフィック描画システムが、ユーザモードからカーネルモードに移行したのだが、結果として安定性を損なってしまった事は否めない。
- 独自のファイルシステム「NTFS」を採用。NTFSはその後、何度かヴァージョンアップした。
Windows2000
- 2000年リリース。
- WindowsNT 4の後継OSであり「NT 5.0」に当る。
- Windows2000は、実質的に「繋ぎ」のOSで、コンシューマ向け9x系とビジネス向けNT系とを統合するヴァージョンの開発が遅れたために、主にビジネス向けとしてリリースされたものである。コンシューマ向けにはWindowsMeがリリースされた。DirectXがNT系で初めて標準で搭載され、Plug and Play、電源管理(ACPI)等の機能が組込まれた。
- サーヴァ用には「Datacenter Server」「Advanced Server」「Server」が用意され、クライアント用に「Professional」がリリースされた。
- WindowsMeに比べて十分なシステムの堅牢性を持ち、最近のマルチメディア機能が利用できるとあって、マニア層には人気が高く、Windows98から移行したユーザも少くなかった。WindowsMeが今一つ人気がなかったのに比べ、Windows2000は高い評価を得たと言って良い。
WindowsXP
- 2001年11月16日発売。
- 「NT系列と9x系列の統合」を実現したWindowsである。システムのベースはWindowsNTのカーネル(Windows2000のカーネルを改良したもの)であり、Windows9x系のものではない。
- 従来のNT系ユーザ向けにProfessional Edition、9x系ユーザ向けにHome Editionlがリリースされたが、カーネルは同一。使用出来る機能・ライセンス形態・セッティングや、おまけツールに差がある。
- インタフェイスが極端に変更された。所謂「Luna」と呼ばれるテーマがデフォルトで使用される。「クラシック」テーマは、従来環境と同一のインタフェイスを提供するもの。ベースはWindows95のGUIで、Lunaはそれにかぶさって動作する。スタートメニューも修正された(従来の操作ができる様にするのも可能)。
- 最初の導入後、或はシステム構成が大幅に変った時、不正コピーを防止するため、Microsoftに「ライセンス認証」を受ける必要がある。
- 2002年9月9日、Windows XP Service Pack 1 をリリース。2003年2月3日にリリースされたSP1aは、 MicrosoftのJava VMを削除したもので、その他の内容はSP1と同じ。セキュリティホールを塞いだり、不具合を修正したもの。
- 2004年9月にはService Pack 2がリリースされた。セキュリティホールを塞ぎ、ファイアウォール等の機能を追加したもので、セキュリティ対策を主眼としたリリースであった。
参考文献