- 制作者(webmaster)
- 野嵜健秀(Takehide Nozaki)
PC用語集/M
Mac OS
Macintosh用のオペレーティング・システム。バージョン9までを指す。
Mac OS X
Macintosh用の新しいオペレーティング・システム。初のコンシューマ向けUNIXと言へる。
FreeBSD 5.0とMach 3.0マイクロカーネルをベースとしたオープンソースコアのDarwinに各種の機能を組込んだシステムである。
Macintosh
- Appleが開發・製造・販賣してゐるコンピュータ。略稱Mac。
- PCではない。PCへのアンチテーゼがMac。最近のMacユーザは平氣で「ぼくのパソコンはマッキントッシュです」等と言ふが、嘆かはしい事だ。
- Mac專用に開發されたグラフィカルなOSがMacOS。もつとも、Macにテキスト画面は存在しないので、Mac用のOSは常にグラフィカルである。
MB
- メガバイト。コンピュータに於る單位。
2の20乗バイト
。
- 時として「1Mb=1000kb」である事もある。かつて、ハードディスクメーカが、製品の容量を大きく見せかける爲、多用した。
MCA
- Micro Channel Architecture。1987年、IBMがPS/2のModel 50以上の機種に搭載した16bit/32bit busの事。
- 20MB/secの高速データ轉送機能、32bit addressing機能、bus masterのarbitration(調停)機能、擴張ボードのauto configuration機能を實裝してゐた。
- ISAとの互換性がなかつた。
- IBMが秘密主義をとり、技術情報を非公開とした爲、一般に普及しなかつた。
MCGA
- Multi Color Graphics Array。
- CGAから派生したグラフィックシステム。
- 320x200ドット256色と640x480ドット2色のグラフィックモードを持つ。
- VGAでゲーム用に良く使はれた320x200ドット256色のグラフィックモードは、實はMCGAのモード。
MDA
- Monochrome Display Adapter。
- 1981年發賣の初代IBM PC用ディスプレイアダプタ。
- ビジネス用途にターゲットを絞り、グラフィック畫面を省略して價格を引下げた。
- 9x14ドットの文字を80x25字表示するモノクロテキスト畫面(720x350ドット)表示專用のアダプタ。グラフィックは表示出來ない。
MFC
- Microsoft Foundation Class。
- VisualC++附屬のクラスライブラリ。
Microsoft
- ビル・ゲイツ氏がポール・アレン氏とともに、1975年に創業した世界最大のソフトウェアメーカ。
- 當初は、BASICをはじめとする開發言語の開發、販賣を行つてゐた。
- 1981年にIBM PC向けのMS-DOSを提供し、以來、PCでの標準OSの座を占める。
- 現在は、Windows、Office製品、開發言語等を開發、販賣してゐる。
- Windows用ウェブブラウザ・Internet Explorerの提供者。W3Cメンバ。
Microsoft Access
- Windows用のマイクロソフト社製リレーショナルデータベースプログラム。
- 個人用として定番商品のなかつたWindowsのデータベース市場にマイクロソフトが送り込んだ決定的な製品である。
Microsoft Excel
- Macintosh用に開發され、後Windowsに移植されたマイクロソフト社製の表計算プログラム。
- Windowsでは標準的に使はれてゐる表計算プログラムである。
- DOS出自の1-2-3に比べると、GUI環境(特にWindows環境)との整合性が高い。
- 完全なWYSIWYGとなつてゐない缺陷が、長い間改善されてゐない。
Microsoft PowerPoint
- Windows用のマイクロソフト社製プレゼンテーションプログラム。
Microsoft Word
- Macintosh用に開發され、後Windowsに移植されたマイクロソフト社製のワードプロセッサプログラム。
- 本來は、見出しレヴェルに基く構造化文書作成用のプログラム。アウトラインモードを持ち、スタイルシートを搭載してゐるのがその證據。長文の論文や書籍を制作するのに向いたプログラムである。逆に、ペラの文書を作成するのは苦手である。
- 現在、本來の使はれ方をする事は滅多になく、オフィスや個人でちよつとした文書を綺麗に出力するのにもつぱら使はれてゐる。プログラムの仕樣も、さう云ふ方向にのみ、強化が續けられてゐる。
MIDI
- Musical Instruments Digital Interface。
- 1983年に、ディジタル樂器同士で音樂の演奏情報をやりとりする爲のインタフェイスとして規格化された。當初は、主にディジタルシンセサイザ同士を接續するのが主目的だつた。
- MIDI規格では、樂器の演奏動作を記録出來る。記録された演奏動作に基いて、MIDI機器は音聲を合成する。
- MIDIファイルは、音自體ではなく、樂器の演奏情報のみを保存する。その爲、ファイルのサイズが小さくなる。その代り、MIDI機器(演奏する樂器やプレーヤ)によつて音色が異つてしまふ。
- 樂器の音色(樂器の種類)は、番號で指定する。しかし、番號の竝び順には當初、決りがなかった。
- 社団法人音楽電子事業協会(AMEI)とMMA(The MIDI Manufacturers Association)がGM(General MIDI)規格を定め、175種類の樂器の竝び順、音量等の設定を大體、統一してゐる。ただし、實際の音色はMIDI機器のメーカによつて少しづつ異る。
- GMをベースにした擴張規格として、AMEI等がGMレベル2、ローランドがGS、ヤマハがXGと云ふ規格をそれぞれ獨自に定めてゐる。現在は各ヴェンダが互ひの規格をそれぞれサポートする方針をとつてゐる。(ローランドとヤマハがMIDI規格の互換性向上で協力)
MIME
- Multipurpose Internet Mail Extensions。
- もとは、電子メールで送信する際、ファイルのタイプを明示する爲のもの。
mother board
PCの主基盤の事。BIOS、CPU、メモリ、擴張スロット、その他のチップセット等を搭載する。
Mozilla
- Netscape Communications社のNetscape Navigator及びCommunicatorに附けられた開發コードネーム。Netscape Navigatorと書いてMozillaと讀む、と云ふ事になつてゐた。Netscape社が、NCSAから「Mosaic」の名前を使ふ許可を貰へなかつたので、腹癒せに附けた名稱らしい。
- Netscape Communications社のマスコットキャラクタである緑色の恐龍の名前(Dave Titus氏デザイン)。また、Mozilla.orgの赤い恐龍もMozillaと呼ばれる(らしい)。
- Mozilla.orgが作つてゐる獨自のブラウザの正式名稱。コードネームはSeamonkey。
Mozilla Classic
- Netscape Navigator 1/2/3/4及び(開發中止になつた)5のアーキテクチャ。
- HTMLを頭から讀込んで、レンダリングを行ふ機能しか持つてゐない(推定)。
- HTMLの要素の概念を知らない爲、Cascading Style Sheetsの機能をきちんと實裝出來ない(憶測)。
MP3
- MPEG-1 Audio Layer-3。ISO/IEC 11172-3:1993で規格化。
- MPEG-1で定義される音聲壓縮技術のみを使用する音聲コーデック。及び、それによつて生成される音聲ファイルの事。
- 壓縮率は比較的高い。その爲、インターネットでの音樂配信、就中P2Pでの樂曲交換に屡々利用される。
- 壓縮の技術には獨Fraunhofer IISと佛Thomson Multimediaの特許が存在する。
MPU
- Micro Processing Unit。
- マイクロプロセッサ。
MS IME
- Windows 3.1に突然搭載されて、ユーザを驚かせたIME。當時はWX-2のOEM(であつたらしい)。
- その後、Microsoftが獨自に強化・改良を重ね、現在、Windowsに於て、ATOKと並ぶ二大IMEの一つとなつてゐる。
- Windows標準搭載の強みでユーザが多いIME。
- 馬鹿だ馬鹿だと言はれてゐるが、それほど惡いものではない。
- 文脈を解析する等の機能が弱いのを、單語の登録數を増やす事で補つてゐるので、妙な變換をする事はある(傳聞・推定)。
- Wordとセットでないと使へない機能が搭載される事も。
MS-DOS
- MicrosoftがIBMに供給した16bit OSの名稱。IBM PCにバンドルされたそれは「PC-DOS」と呼ばれた。PC互換機メーカにMicrosoftがそのOSをOEM供給する際に、「MS-DOS」の名稱が使はれた。
- オリジナルはSeattle Computer Products社が1980年に開發した86-DOS(開發時の名稱はQDOS:Quick and dirty DOSだつたと言ふ)。Microsoftが1981年、IBMからOSの供給を要請された時、自社でOSを開發する時間が無かつた爲、86-DOSを急遽買取つた事は有名。
- CP-Mを參考にして作られた「Disk Operating System」で、ディスク管理が主な目的である。ユーザインタフェイスとしては、最低限のコマンドライン入力が可能であるのみ。BIOS經由でハードウェアを操作するDOSの機能は速度が遲く、實用にならなかつた。
- 日本では、NECのPC-9800シリーズが、BASICに代りMS-DOSを採用し、以來、標準のOSとして普及した。
「MS-DOS 5.0a/V」事件
- コンパック上陸以來、マイクロソフトはOEMでDOS/Vをメーカに供給してゐた。MS製のOEM版DOS/Vは、1バイト版のMS-DOSを2バイト對應させたものに日本アイ・ビー・エム製のドライヴァを組込んだものだつた。しかし、日本語版Windows 3.1發賣に合はせ、マイクロソフトはコンシューマ向けに自社製のオリジナルDOSを販賣する方針を決めた。
- この機會に、マイクロソフトは自社が中心になつて決めたAX規格の復活を企んだ。「MS-DOS 5.0a/V」はAXをベースにDOS/Vを融合させる新しいDOSであると喧傳された。
- 「MS-DOS 5.0a/V」には、AXモードとDOS/Vモード、それにAX+DOS/Vモードが用意される事となつてゐた。問題は、AXエミュレーションが386の假想86モードを利用してゐる事だつた。
- AX+DOS/Vモードは、メモリ管理機構と日本語表示機構とを一つのドライヴァで實現するもので、このモード下ではDOS/Vの擴張表示機能(V-Text)が全く利用出來なくなる。また、Windows 3.1のメモリ管理機構と衝突する爲、Windows 3.1のエンハンスドモードが利用出來なくなる事が豫想された。
- AX+DOS/Vモードで使はれるドライヴァは、AXのVGAエミュレータを轉用したものと推測されたが、VGAで動作するAX-VGA/Sのトラブルが傳へられてゐた事もあり、AX+DOS/Vモードでは必ず問題が生ずると豫想された。
- このAX+DOS/Vモードがデフォルトで強制的にインストールされると云ふ仕樣が傳へられると、當時のPC通信(BBS)では有名なパワーユーザ達が一齊に「MS-DOS 5.0a/V」に對する懸念を表明した。「MS-DOS 5.0a/V」は、當時やつと普及し始めたDOS/Vの世界に混亂を惹起し兼ねないとして、一般ユーザを卷込んで「MS-DOS 5.0a/V」反對運動が勃發したのである。これに驚いたマイクロソフトは結局、IBMのDOS/V方式を採用したMS-DOS 5.0/Vを發賣し、AXエミュレーションを捨てた。
- のち、Windows 95でこの「MS-DOS 5.0a/V」のAX+DOS/Vモードのドライヴァが復活し、起動時及びMS-DOSモードの日本語環境を實現するのに使はれてゐる。
MSN
- Windows95とセットで提供された「パソコン通信」サーヴィスで、AOLへの對抗策と見られてゐた。時代は「パソコン通信」からインターネットへの移行期で、MicrosoftはすぐにMSNをISPに改編してゐる。しかし、ISP事業としては事實上失敗に終つた。日本ではISPとしての活動を停止し、ぷららに業務を移管してゐる。
- ISPのホームページからポータル化したサイト。「Hotmail」等のサーヴィスを提供してゐる。Passport等の機能と統合され、Internet Explorerのデフォルトのスタートページとなつてゐる事もあつて、Windowsユーザ向けのポータルサイトとしてそれなりに定着してゐる。
MTU
- Max Transfer Unit。
- イーサネットのパケット長の最大値。一つのパケットで送信出來るデータのサイズの制限値で、これよりも大きなデータは一旦この制限内に分割されて送信される。
- MTUの値が大きいほど、データ轉送效率が高くなる。
MUA
Multi Task
- 複數の處理を一臺のコンピュータで同時に實行する事。
- 多くの場合、複數のタスクを高速で切換へながら實行する事。單に、人間の目には同時にタスクが動いてゐるやうに見える、と云ふのに過ぎない。
- OSがタスクを監視・制御し、タスクに割振るCPU利用時間を決定してゐるタイプのマルチタスクを「プリエンプティヴなマルチタスク」と呼ぶ。OSが複雜になり、ハードウェアに負荷がかかる爲、高性能なコンピュータでなければ實用的に使へない。ワークステーション以上のコンピュータでは以前から主流だつたが、PCでは最近になつて漸く主流となりつつある。プリエンプティヴなOSの例:UNIX、Windows9x(32bit環境のみ)/NT/2000。
- アプリケーション側が協調して動作し、適宜CPUを次のタスクに明渡す事で實現されるマルチタスクを「ノンプリエンプティヴなマルチタスク」と呼ぶ。アプリケーションが處理を終へた時、自發的に處理を明渡す事で實現されるマルチタスクである。OSの仕組を簡單に出來、ハードウェアにかかる負擔も少い爲、過去の低機能のPC・Macで使用された。アプリケーションが處理を獨占したり、無限ループに入つてしまつたりすると、システム全體が停止する、といつた問題があり、ハードウェアの性能が向上した現在では用ゐられなくなつて來てゐる。ノンプリエンプティヴなOSの例:Windows3.x/從來のMacOS。