- 制作者(webmaster)
- 野嵜健秀(Takehide Nozaki)
PC用語集/D
DDE
Dynamic Data Exchange。
Defacto Standard
- デファクトスタンダード。
- 事實上の標準。いつの間にか皆が使ふやうになつた仕樣の事。
- 強制力は必ずしもない。
Default
- デフォルト。何もしない状態の事。PCでは大體、ユーザが何も設定しないコンピュータやアプリケーションの状態を言ふ。
- - value=省略時値は、人間がプログラムの設定をしない時にプログラムが決め打ちで使用する値の事。
- プログラムはデフォルトの状態で、いつもきちんと動作する訣ではなく、時と場合によつて全く動かない事がある。動いても問題を生ずる事もある。一方で、デフォルトから設定を變へると問題を起すプログラムもある。標準的で多くの場合に最適であらうと思はれる設定がなされてゐる事もあるが、ネットワークの設定のやうに決め打ちのしやうがないものに關しては、そのままでは動かない設定がデフォルトである場合もある。
Device Driver
- OSとハードウェアの仲立をするソフトウェア。
- 現在のOSに於てはデヴァイスの假想化が進んでをり、直接OSがデヴァイスを「叩く」事は少い。代りにOSは、デヴァイスドライバにアクセスし、デヴァイスドライバがデヴァイスを驅動(ドライヴ)する。
Dialog Box
- ダイアログボックス。
- GUIのオペレーティングシステム/オペレーティング環境で、プログラムが處理の途中でユーザに情報を傳へ、ユーザの撰擇を要求する時に表示するウィンドウの事。システムとユーザとの「對話」を行ふ爲に「ダイアログ」ボックスと稱する。
- ユーザが「OK」「キャンセル」等の指示を與へないと、元のアプリケーションに戻れないタイプのダイアログを「モーダル・ダイアログ」と呼ぶ。モーダル・ダイアログはMac OSやWindowsでしばしば使はれる。
- 古いWindowsやOS/2などではサイズが固定されてゐるが、別にサイズを固定せねばならないと云ふ決りはない。
digital
- 「計數形」と譯される。デジタル/ディジタル。
- データを時分割、領域分割して數値化する事。線的に變化するデータを、一定の範圍で區切つて、それぞれの地點で代表的な數値を取り、それを記録する。
- 基本的に、ディジタルデータは不連續のデータであり、連續的なデータであるアナログデータに比べると、情報がかなり缺落してゐると言へる。その代り、ノイズが除去されてゐるので、利用形態によつてはデータが鮮明になる。
Directory Service
ディレクトリサーヴィス。
ユーザ、サーバ、アプリケーション、プリンタなどネットワーク上の資源を、使いやすく、管理しやすく系統立ててエンドユーザや管理者の方に提供するシステム
- 所謂リンク集の事。人が手作業でウェブの情報を集め、選別して紹介してゐるサーヴィス。
DirectX
Windowsでアプリケーションが高速にハードウェアを驅動できるやうにした仕組。Direct3D、DirectSoundなどの總稱がDirectX。通常のGDIの擧動が遲すぎる爲、考案された。
- WinG/DirectX開發の經緯については、『マイクロソフト帝国の反逆者たち』(マイケル・ドラモンド著・徳間書店)が詳しい。
diskette
フロッピーディスクの事。IBM獨自の用語だが、PCの世界ではそれなりに使はれてゐた樣だ。
DivX
- マルチメディア技術の一つ。動畫のコーデックが著名。1999年にProject Mayoが開發開始。2000年以降はDivX Network(現DivX)社として企業化。
- もとはMicrosoftのコードを不正に使用したコーデックだつた(3.11)が、ヴァージョン4で獨自開發となつた。その後、ヴァージョン5、6がリリースされてゐる。ヴァージョン5で、無料版、アドウェア版、有料版を配布したが、アドウェア版は6では無くなつた。
- TV番組や映畫、或はその他の映像をインターネットで正規に・不正に配布する際、動畫の壓縮に屡々利用される。
- DivXをオープンソース化するOpenDivXなるプロジェクトも存在したが、DivX社自身が商用路線をとつた事からオープンソース開發の繼續を主張したグループが分派、互換性のあるXviDなるコーデックを開發・配布してゐる。
DNS
- Domain Name System。
- インターネットに接續されてゐる機械は皆IPアドレスを付與されてゐるが、數字、數字、數字では人間にとつて訣が解らない。そこで、各コンピュータには屬してゐるドメイン名を使つた「わかり易い」名稱を附けられるやうになつてゐる。その種の機械の名稱と、IPとを、相互に變換する仕組みがDNSと呼ばれるものである。
- DNSの名前を解決するサーヴィスを行ふのがDNSサーヴァで、「http://www.hoge.com/」のやうなドメイン名を「123.45.67.8」のやうなIPに變換する。おかげでウェブの閲覽者は數字を諳記しないで濟む。
- DNSサーヴァは分散型のデータベースとなつてをり、最上位のルートサーヴァは世界に13臺ある。ドメイン名がDNSサーヴァのデータベースに登録されると、順次、各地のDNSサーヴァに情報が轉送される。ドメイン名によつてクライアントがリソースを要求すると、下位のDNSサーヴァに問合せが行き、そこでわからない場合、上位のDNSサーヴァに順次、問合せが行はれる。
DOCTYPE宣言
- 文書型宣言。
- 全てのSGML文書は、どんなDTDに基いて作成されてゐるかを最初に宣言されてゐなければならない。その宣言がDOCTYPE宣言である。
- HTMLも2.0以降はDOCTYPE宣言が必須である。
- ウェブの古いUser Agent等には屡々無視されるが、規格上、制作者はこの宣言を記述する義務が課せられてゐると言つて良い。
- 或文書がHTML文書である事を宣言するのは、html要素ではなくてDOCTYPE宣言である。
- XHTML文書でも、XML宣言とともにDOCTYPE宣言の記述は必須である。
DOM
DOS
- Disk Operating System。ディスクの管理しか出來ない「不完全」なOS。
- 普通MS-DOSを指す。
DOS 6事件
- DOSに關するコード共有の契約が切れた事で、IBMとMicrosoftがそれぞれ別々にDOSをヴァージョンアップした事件。
- MicrosoftはMS-DOS 6.0を、IBMはPC DOS 6.1をそれぞれ獨自にリリースした。
- ディスク壓縮ツールなどに違ひはあつたものの、MS/PCの兩DOSは、カーネル本體に餘り差異がなく、互換性の問題は少なかつた。
- 問題は日本語版で、MS-DOS 6/VとPC DOS 6/Vは、DOS/V化の細かい所で仕樣が異つてゐた。兩者の間にはアプリケーションが言語環境を判定する方式の違ひがあり、ユーザやメーカの混亂を招いた。Windows95時代がすぐに到來したため、話がうやむやになつたのは救ひ。しかし、マイクロソフトの採用したやり方はAXのものと類似してをり、明かに自社規格にこだはつたものであつた。
- MicrosoftとIBMの關係は最惡の状態であり、兩者の確執が當時、DOS/Vの普及を妨げてゐたと言へる。
DOS/V
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- 日本アイ・ビー・エムが、英語版PC DOSをもとに、日本語表示を擔當する$disp.sysと$font.sysのドライヴァを組込み、コマンドなどを2バイト對應させた、PC用日本語DOS。
- IBM DOS バージョン4.05/Vが最初のヴァージョン。その後、DOS 5(MS-DOS 5)と良い感じで混同され、知られるやうになつた。のち、IBM DOS バージョン5.0/V(5.0、5.02)、PC DOS 6/V(6.1、6.3)、7/V、2000がリリースされてゐる。
- IBM DOS 5.02D/Vが最高傑作だつたと個人的には思ふ。
- DR DOSも同樣の手法で日本語化され、「DR DOS/V」として販賣された。Windows 3.1との相性が惡く、すぐに廢れた。
- 1バイト仕樣のMS-DOS(及び互換DOS)にドライバを追加する事のみによつて2バイト文字を表示出來るやうにする事を、一般に「英語DOSのDOS/V化」と呼ぶ。一時期、英語版DOSに$disp.sysと$font.sys(及びその互換ドライバ)を組込んで日本語化する事が流行つた。
IBM PC互換機のハードウェアを指して「DOS/V」と言ふと嗤はれる。「ぼくのパソコンはDOS/Vです」なる言ひ方には問題あり。
DoS攻撃
- Denial of Service Attack。サーヴィス拒否攻撃。サーヴィス妨碍攻撃。サーヴィス不能攻撃。ターゲットに處理し得る以上の負荷をかけて、サーヴィスを停止させたり遲延させたりする。
- 大量のデータを送信してネットワークを澁滯させる。TCP/IPを惡用してサーヴァに負荷をかける。セキュリティホールを衝いてサーヴィスを妨碍する。等々。
- 複數のクライアントから行ふDoS攻撃はDDoS攻撃(Distributed Denial of Service Attack:分散型サーヴィス拒否攻撃、分散型サーヴィス妨碍攻撃、分散型サーヴィス不能攻撃)と呼ぶ。
- DDoS攻撃の場合、攻撃者はネットワーク上に存在する第三者の複數のPCに侵入して攻撃用のプログラムを仕掛ける。DoS攻撃の場合、クライアントの使用者が手動で行ふ場合もある。
dot
画像を構成する最小単位のことで、「点」を意味します
。
- モニタの表示は、點(dot)の集合。
- プリンタによる印字も、當然點(dot)の集合。
dpi
- dot per inch。
- 1インチあたりのドット數。
1インチ(2.54cm)の中にどのくらいドットが詰まっているかを表す単位
。
- 數値が大きいほど、畫像はより細かいドットで表現されてゐる事になる。
- モニタは、72dpi〜96dpi程度が多い。かなり大雜把に表示されてゐる事になる。
- プリンタは、かつては150dpi程度であつた事もあるが、その後は300〜360dpi、600dpi、と進化し、現在では1200dpiなんぞで印刷可能となつてゐるものもある。
- モニタのdpi値とプリンタのdpi値は現在、とんでもなくかけ離れてしまつてゐる爲、完全なWYSIWYGはちよつと無理。
DPMI
- DOS Protected Mode Interface。
- リアルモードとプロテクトモードのインタフェイスとなるAPIの事。
- MS-DOSでも利用出來る。Windows 3.0ではじめて採用された。
- MS-DOS時代には、リアルモード環境からプロテクトモード環境にアクセスしたり單に擴張メモリを利用したりするのに使はれた。しかし、Windowsのプロテクトモードで動作するプログラムからリアルモードにアクセスするのにも使はれる。
DR DOS
Digital Research製のMS-DOS互換DOS。のちNovellに買收され、Novell DOSとなるが、再度賣却。Caldera OPEN DOSとなり、現在はDrDosとなつてゐる。
Dr.Watson
- GPFのエラーを記録するツールとしてWindows 3.1に標準搭載されたユーティリティ。
- Windows 3.0で動かすと、UAEを修復して呉れた。
- WindowsNTで復活を遂げたらしい。
DTD
Document Type Definition。SGMLに於る文書型定義の事。マークアップ言語の設計・仕樣を明示する爲のもの。要素名や、要素間の關係を特定の書式で記述する。
XMLでは、これがくつついてゐないXML文書も整形式ならばok。SGMLでは必須。開發が面倒。
DTP
- Desktop Publishing「卓上出版」。
- Adobe PageMakerやVentura Publisher、Quark Expressなどの「DTPアプリケーション」で印刷物を制作する事。
- 稀にWordによる出版物も見られるが、普通はPostScriptで製版用データを出力しないとDTPと呼ばれない。最近はPDFで印刷所に入稿する事もある。
Dynabook
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- 1972年、Xerox社PARC(パロアルトリサーチセンター)のアラン・ケイが提唱した理想的なコンピュータの概念。
- ノートサイズで對話型のグラフィックコンピュータ。
- オブジェクト指向言語により容易にプログラミングが可能で、通信機能を持つ、極めて使ひ易いコンピュータ。
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- 東芝が1988年に發賣したJ-3100シリーズのノートPC。
- IBM PCを獨自に日本語化したもの。
- PC-9800全盛の時代に、一定のシェアを獲得した。
- Dynabook發賣後、NECは對抗上、98noteを急遽開發、發賣した。
- 現在も東芝製のノートPCのブランドとして存續してゐる。