制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
初出
「闇黒日記」平成十八年五月十七日
公開
2006-10-12

PC用TVキャプチャボードの評価に関する覚書

PC Japan誌でテレビのキャプチャボードを特輯してゐたが、例によつて畫質の話しかしてゐない。

實際のところ、キャプチャボードで問題になるのは、畫質ではなくプログラムの安定性と音聲。豫約してもプログラムが落ち捲つて番組をしよつちゆう録り逃がすとか、ステレオ放送なのにアナログでしか録れないとか、さう云ふ事が買つてから本當に問題になる。なのに雜誌では決して觸れられない。

それなりの畫質である事は慥かに必要だが、音聲がちやんとしたものである事は當り前であり、安定して録畫出來る事は極めて重要だ。その當り前の事重要な事について全く觸れてゐないと云ふのは、記事として不備があると言つて良い。

キャプチャボードで案外無視され勝ちなのが音聲の取込み方。PCIバス經由で取込めるのか、サウンドカード經由で取込まなければならないのか――いづれもキャプチャボードの實際の導入の際には問題となる事なのだが、雜誌ではやつぱり殆ど觸れられない。雜誌の編緝者は、自分は録畫なんて事を日常しないものだから、「畫質の事だけ問題にしてゐれば良いだらう」みたいな好い加減な感覺しか持たないのではないか。

ちなみに俺は、問題が起り勝ちだから、内藏のキャプチャボードを使はないやうにしてゐる。USB接續のキャプチャユニットは、大體のところ安定して動作するし、確實にステレオならステレオで音聲を録つて呉れる。