制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
初出
「闇黒日記」平成十八年八月二十一日
「闇黒日記」平成十八年九月十七日
公開
2006-10-12

デジタル放送は普及するか

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ヨーロッパは「罪の文化」で日本は「耻の文化」である、と云ふ對比は徹底的に否定され、その結果、「日本は耻の文化である」と云ふ定義は忘れ去られてしまつた。けれども、この事は依然、日本の諸現象を説明するのに利用出來る。

嘗て高度成長期、「おとなりがテレビを持つてゐるのにうちは持つてゐない」と云ふのは耻であつた。テレビの普及は「耻の文化」が齎した、と言ふ事が出來なくもない。今、「地デジ」を普及させようと官廳やTV局その他ががんばつてゐる。なのに一向に普及する氣配はない。それはなぜかと考へたら、「別に地デジが觀られなくても耻ではない」と云ふ事實が「ある」。「見え」とか「耻」とかが全く氣にならない領域で、流行は發生しない。

インターネットにしても、「今の時代、インターネットも知らなければ耻かしい」とかいつたアレな發想が一時期おつさん連中の頭を支配して、それでビジネスの世界でインターネットの普及が進んだ事實がある。

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と言ふか、デジタル放送は一般人には難し過ぎる。普及させるなんて無茶だと思ふ。