制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
初出
「闇黒日記」平成十八年六月二十一日
「闇黒日記」平成十八年七月二十四日
「闇黒日記」平成十八年九月十七日
公開
2006-10-12

デジタル放送の機器は反応が鈍い

1

デジタル放送の機器の反應が矢鱈と鈍いのは何とかならないものだらうか。

放送開始一分前には最う録畫豫約を入れられない、つて何う云ふ事よ。

2

これ、隨分前から問題になつてゐて、何で今頃話題にするんだらう、肩が赤い。と言ふか夕方の時報なんかがアナログ放送でも消滅してゐて、それで時報で時計合せするヴィデオデッキなんかが時計を合せられなくなつて大騷ぎ、と云ふ事態が既に發生してゐる。

デジタル放送のデメリットは兔に角何でもかんでも遲い事が擧げられる。「畫面が綺麗」とか、メーカや放送局やその他の關係者が一生懸命宣傳してゐるけれども、デジタル放送は必ずしもメリット許りとは言へない。デジタル放送のチャンネルの切換が無茶苦茶遲いのは、昔ながらのアナログ放送に慣れてゐる人にとつては極めて嫌な事で、體が受附けなくてデジタル放送も觀られるのに敢てアナログ放送を擇んでゐる老人もゐる。

「操作しても反應が遲い」と云ふのは、それだけで「操作性が惡い」事になるのだが、何うもデジタル放送關係者はそれが解つてゐない節がある。以前J-COMの人に文句を言つたら「それは遲いです(w」とか答が返つて來てがつかりした。と言ふか、操作性が惡い事、今のデジタル放送關係者は――と言ふより、BS開局以來、全ての放送關係者が「問題だ!」と思つてゐないみたい。俺みたいなヲタなら「地上波」「BS」「CS」なんて言はれても理解出來るけれども、七十過ぎの老人に、入力ソースを基準にしたチャンネル撰擇なんてやらせようとしても、無理だよ。大體、VHFとUHFすらも判らない人は多いと思ふし、その所爲でUHF局の番組を觀ない人も未だに多いのではないか。さう云ふ人に「地上波」「BS」「CS」を撰擇して觀させようだなんて、無茶な要求だと思はないか。行政は餘りにも御氣樂に考へる傾向がある。話を無理やり繋ぐやうな氣もするけれども、あの國語改革だつて、相當氣樂にやつたやうな氣配がある。

3

TVのデジタル放送には「データ放送」がくつ附いて來るが、此れのインタフェイスがとんでもなく惡い。この事は餘り指摘されてゐないが、事實だ。使ふ人が少いからだらう。全然洗練されてゐない。

ウェブサイトなんかよりももつと非道いと言つて良い。上下左右にカーソルを動かすのだが、何處にカーソルがあるのやら、御年寄は困るに違ひない。と言ふより、この手のメニュー畫面、老人は使へないさうだ。取敢ず、現状の「標準」が定まつてゐない「自由な形式」、御爺さん御婆さんには絶對使へないと思ふ。

使ひ辛い許りではない。デジタル放送のメニュー、やたら凝つてゐる所爲だらうか、表示が遲い。dボタンを押してから畫面が切替つて内容が表示されるまで、數秒から數十秒かかる。事がある。しかも、初囘には設定が必要と云ふおまけ附きだ。實際に「使へる」やうに「する」には時間がかかる。かかり過ぎる。