制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
公開
2002-04-11

noframesに書かれる間違つたメッセージ

frameと云ふ代物は素人さんが想像する以上に面倒な代物だ。親切な記述を考へ始めると、切りがなくなる。

さう云ふ譯で、手拔きの記述がウェブ中に蔓延してゐるのだが、手拔きにしても非道過ぎる記述が餘りにも多過ぎる。例へばこんなもの。

frameset DTDの場合、noframes要素の中身はbodyであり、bodyの開始タグと終了タグは省略可能であり、bodyの中身にただの文字列を書くのも許されてゐるから、noframes要素の直下にただの文字列を書いても許される。

しかし、あなたのブラウザはフレームに対応していません。と云ふメッセージは、閲覽者に對して大變に失禮なものだ。にもかかはらず、極めて多くの制作者が、ためらひもなしにこのメッセージを自分のサイトの文書に書き込んで、平氣でゐる。

多くの場合、「HTMLタグ辞典」の類の記述を丸寫しして、彼等は安心してゐる。少しは疑へば良いと思ふのだが、初學者に參考書を疑ふ事は、まあ、不可能だらう。となると、その手の參考書の執筆者に配慮の缺けてゐる事が問題だ、と云ふ事になる。


Dave Raggett's Introduction to HTMLの筆者・Dave Raggett氏は、I suspect that mixing the commentary text with the example markup may confuse people.と言つてゐる。

少し文脈が異るのだが、noframesの場合も、「メッセージ」を例として書いてしまふ事自體に問題があると言へるだらう。


frame關係の要素の解説をするには、フレームベースのサイトを實際に作成し、そのサイトの個々の文書のソースを示しつつ、個々の記述について意圖を説明しなければならない、とすら思ふ。さうでもしなければ、「誤解」は無くならないだらうし、親切な設計の「フレームサイト」は増えないだらう。