制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
初出
野嵜健秀(@nozakitakehide)/2010年08月21日 - Twilog
公開
2014-12-02
寫眞追加
2017-06-21

「コンデジ卒業」

DIMEの記事。「コンデジを卒業して次は一眼レフかミラーレス一眼か」――なんでコンデジを「卒業」なんだよ。コンデジと一眼レフなんかとは用途が違ふんだよ。一眼レフでカメラふりまはしながらスナップなんて出來るか。

一眼レフで撮つた綺麗な寫眞よりコンデジで適當に撮つた斜めの風景寫眞の方が面白かつたりする。と言ふか、ズーム機能を使つて思ひ切り擴大した寫眞とか、背景ぼかして對象のものだけはつきりしてゐる寫眞とか、みんな似たやうなものを撮るから面白くない。

巧い寫眞を撮らうと頑張るよりも、適當にぱしやぱしや撮つて、いつぱい撮つた中から良い感じの寫眞を選ぶ方が面白いと思ふ。と言ふかGRだとさう云ふ適當な撮り方の方が面白い。コンデジは背面の液晶をオフにして撮ると何が撮れてゐるかわからなくて面白い。

寫眞のサイズは大きいほど良いと云ふのが「常識」だが、實際の印刷物だとそんなに大きくなくても大丈夫。一眼レフなんかで4000px、コンデジでも3000pxオーヴァなんてざらだが、そんなでかい畫像でなくても刷れる。B5の本だと1200pxあれば十分――場合に據つては640pxでも行ける。

印刷物だと網點が大きいからでかい畫像でなくてもそれなりに刷れる。本でも今はCTPだからウェブ用の小さな畫像でも綺麗に出るし、新聞だと粗い低畫質のJPEGでも全面に使へたりする。DTPの作業時に重くなるから巨大な寫眞は意外と嫌はれる。

切手大でしか使はない場合、320px程度のちつこい畫像で十分。高畫質が必要なカタログなんかでも實際にはその程度の小さな畫像を使つてゐる。無闇矢鱈と畫質を上げて大きい寫眞を撮るなんてのは無意味だ。昔だつてハーフ判のカメラで特ダネ寫眞を撮つた記者は多い。かのPENだつてハーフ判である。

大體一眼レフなんかでは綺麗に撮れるのが當り前。そんなの面白くも何ともない。コンデジとかの機能的に貧弱なカメラで一眼レフと張合へるやうな寫眞を撮らうとするから面白い。それが日本人の心意氣だよ。

プロのカメラマンさんは、商賣だから、面白いとか言つてゐる餘裕なんてないわけで、確實に使へる寫眞を撮らなければならないから、一眼レフとかの綺麗に撮れるカメラで仕事をする。素人は、カメラだけプロ竝にしたつて何うせ敵ひつこないんだから、コンデジで頑張るのがいい。

素人が小賢しい寫眞を撮つても嫌みなだけだ。素人なら素人らしい寫眞を撮つて遊ぶのが正解。


ISO感度を1600に上げて白黒で撮る森山大道ごっこはGRユーザなら多分誰でもやる遊びです。