制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
初出
「闇黒日記」平成13年7月2日
改訂
2001-08-12

水無月ばけら氏を斬る

りさいくるしょっぷ マイハート、以前は HTML4.01 Strict できっちりマーク付けされていたというのに、今ではInternet Explorer 4.0 以上の使用を推奨します。などと書いてあったりして残念な思いをいたしました。

残念な思いをいたしました、と云ふ紋切型を使はなければ、もつと増しな記事になつてゐる筈。水無月氏はなぜわざわざ氣持ちの惡い「方言」を用ゐるのだらうか。そこには讀者に對する一種の「甘え」があるのではないか。顰蹙を買うだけで逆効果、と云ふ文句は自分にそつくりそのまま返つてくるのではないか。

……こういう状況で逆行されると、企業イメージはかなり低下します。私の中では

かう云ふ氣弱なものの言ひ方が、説得力を減じこそすれ、増やす事はない、と云ふのが、なぜ残念な思いをいたしました式の「方言」を愛用する連中には理解出來ないのだらうか。馬鹿だからです。

侍魂にも言へる事だが、詰らない落ちを附けたり、自虐的な言ひ譯をしたりするのが「美徳」であると云ふ固定觀念は、好い加減排除されるべきだ。


「企業だから」、「企業イメージを全てのユーザに押しつけ洗脳すべき」という考え方があるのは分かっています。

この文章は間違つてゐる。りさいくるしょっぷ マイハートのウェブサイト制作者が、「自分のところは企業である」と認識してゐる事はあり得るが、「企業イメージを全てのユーザに押しつけ洗脳しよう」と考へてゐる事はないだらうからである。嫌な言葉だが「強制性」を水無月氏は強調してしまつてゐるやうに思はれる。しかし、そもそも企業の「イメージ戰略」は思想の「押しつけ」だの「洗腦」だのと云つたものとは質が異る。

水無月氏が企業と顧客(或は見込み客)との間に搾取被搾取の關係を見出してゐるであらう事も、私は推測するのだが、今のところ、それは斷言しないでおく。ただ、意圖と結果を、水無月氏は、故意に據るのか過失に據るのかは斷言出來ないが、取違へてゐるとは言へよう。


誰も気づいていないのかもしれませんが、5/31 に Recommendation となった XHTML1.1 では、FONT 要素や BODY の background 要素は破棄されています。これが「移行期間は終わった」「今後は FONT 要素や background 属性を使うべきではない」という流れであるのはもちろんですが、「後方互換性のため、ブラウザは FONT 要素や background 属性をサポートすべき」という考え方がこの仕様からすっぱり無くなっているという点に注目すべきです。XHTML1.1 に準拠したブラウザは、FONT 要素や background 属性をサポートする必要はありません

XHTML 1.1 - XHTML 1.1 Document Type Definitionには、IGNOREとされてゐますが、一應xhtml-legacy.moduleの存在が示されてゐます。この邊をどう解釋するかは、色々意見の分かれるところですが、少くとも仕樣の擴張としてlegacyな「要素」を處理系が用ゐる事は許されてゐる、と見ても良いでせう。

XHTML1.1 に準拠したブラウザは、FONT 要素や background 属性をサポートする必要はありません、と云ふ事は、「サポートしてはなりません」と云ふ事ではありません。


りさいくるしょっぷ マイハートを辯護してゐるのではなく、水無月氏の論法は説得力に乏しい、と私は指摘してゐるだけである。

「CSSコミュニティ」のサイトでも、時として、處理系と文書とを取違へたり、閲覽者の都合と制作者の都合をごつちやにしたり、「である」と「であるべき」とを混同したり、「すべきである」「すべきではない」「しなくともよい」「してもよい」を嚴密に區別しなかつたり、「ありもしない愚論をでつち上げて論破する」と云ふ論法を用ゐたりしてゐる。

これらは反省すべきである、と私は言ひたいのである。