制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
公開
2002-09-14
改訂
2008-01-03

ISO/IEC 15445:2000(ISO-HTML)とは何か

国際規格である「ISO-HTML」

HTMLの規格として、一般の人にはそれほど知られたものではありませんが、ISO/IEC 15445:2000は正式な国際規格です。

ISOが定めたHTMLの規格

ISO/IEC 15445:2000(ISO-HTML)は、ISO(国際標準化機構)IEC(国際電気標準会議)とが、共同で作成したHTMLの規格です。

ISO(国際標準化機構)
電気分野を除くあらゆる分野の国際規格化を推進する非政府間国際機関。
1947年発足。
IEC(国際電気標準会議)
電気分野の国際規格化を推進する非政府間国際機関。
1908年発足。

ISO/IEC 15445:2000は、World Wide Web Consortium(W3C)が定めた規格であるHTML 4.01をベースに策定された、国際的に通用する規格です。

ISO/IEC 15445:2000
http://www.cs.tcd.ie/15445/15445.html
http://purl.org/NET/ISO+IEC.15445/15445.html

JIS規格でもあるISO/IEC 15445:2000

ISO/IEC 15445:2000(ISO-HTML)は、同時にJISの規格でもあります(日本工業規格 JIS X 4156:2000)。

日本工業規格 JIS X 4156:2000
http://www.y-adagio.com/public/standards/jis_html/toc.htm
http://purl.org/NET/ISO+IEC.15445/JP/15445.html

JIS X 4156:2000はISO/IEC 15445:2000の翻訳です。両者は全く同一の規格です。

ISO/IEC 15445:2000を利用する事

「ISO-HTML」は利用できるか

詳細は後述する事にして、ここでは規格書にある記述を紹介しておきます。以下は、ISO/IEC 15445:2000の策定された理由を説明した文章です。

a)
SGML応用のための最小の表示体系を提供する。
b)
HTMLの詳細とSGMLの詳細(SGML宣言,最小化など)との関係を明確にする。
c)
ISOの規格が要求される環境でHTMLを使用可能にする。
d)
他のSGML応用の基本体系としてHTMLを使用可能にする。
備考
基本体系としてHTMLを使用するための技法は, JIS X 4155 HyTime が提供する。
e)
この規格に適合する文書は, 標準情報TR X 0033(又はその規定の適切な以降の版)に適合するブラウザによって閲覧できる。
f)
標準情報TR X 0033(又はその規定の適切な以降の版)の有用なサブセットを定義する。

ISO/IEC 15445:2000は、XMLではなく、SGMLのアプリケーションです。テキストをマーク附けする方法の一つとして定められ、ウェブブラウザで表示される文書のマーク附けに利用できる規格です。

ISO/IEX 15445:2000準拠の文書は、W3CのHTML 4.01準拠のユーザエージェントでエラーなしに閲覧できます。別な表現をすると、ISO/IEC 15445:2000は見かけ上、HTML 4.01のサブセットになります。ただし、内容面で拡張があります。HTML 4.01よりも文書の階層化が意識された規格です。

ISO/IEC 15445:2000を利用した事の宣言

ISO/IEC 15445:2000に準拠する事は、ISOの規格に準拠する事を意味します。

後述しますが、ISOや、その他の機関が、サイトの文書を監査する事はありません。しかし、サイトの制作者が、規格に準拠したのならば、その事実を表明する事は許されます。

ISO/IEC 15445:2000に準拠したどの文書にも、以下の記述をする事が許されます。

ISO/IEC 15445:2000の文書型宣言
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "ISO/IEC 15445:2000//DTD HyperText Markup Language//EN">
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "ISO/IEC 15445:2000//DTD HTML//EN">

この文書型宣言は、仕様書の規定通り、文書の冒頭にSGMLの宣言として記述しなければなりません。

公開されたISO/IEC 15445:2000準拠の文書は、仕様書の規定に基いて客観的に検証できます。ただ、内容に即して適切にマーク附けされたものかどうかは、機械によっては完全に検証できない事もあり得るため、場合によっては人の目で確認されなければなりません。その点ではHTML 4.01やXHTMLと同様です。