HTMLの規格として、一般の人にはそれほど知られたものではありませんが、ISO/IEC 15445:2000は正式な国際規格です。
ISO/IEC 15445:2000(ISO-HTML)は、ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)とが、共同で作成したHTMLの規格です。
ISO/IEC 15445:2000は、World Wide Web Consortium(W3C)が定めた規格であるHTML 4.01をベースに策定された、国際的に通用する規格です。
ISO/IEC 15445:2000(ISO-HTML)は、同時にJISの規格でもあります(日本工業規格 JIS X 4156:2000)。
JIS X 4156:2000はISO/IEC 15445:2000の翻訳です。両者は全く同一の規格です。
詳細は後述する事にして、ここでは規格書にある記述を紹介しておきます。以下は、ISO/IEC 15445:2000の策定された理由を説明した文章です。
- a)
- SGML応用のための最小の表示体系を提供する。
- b)
- HTMLの詳細とSGMLの詳細(SGML宣言,最小化など)との関係を明確にする。
- c)
- ISOの規格が要求される環境でHTMLを使用可能にする。
- d)
- 他のSGML応用の基本体系としてHTMLを使用可能にする。
- 備考
- 基本体系としてHTMLを使用するための技法は, JIS X 4155 HyTime が提供する。
- e)
- この規格に適合する文書は, 標準情報TR X 0033(又はその規定の適切な以降の版)に適合するブラウザによって閲覧できる。
- f)
- 標準情報TR X 0033(又はその規定の適切な以降の版)の有用なサブセットを定義する。
ISO/IEC 15445:2000は、XMLではなく、SGMLのアプリケーションです。テキストをマーク附けする方法の一つとして定められ、ウェブブラウザで表示される文書のマーク附けに利用できる規格です。
ISO/IEX 15445:2000準拠の文書は、W3CのHTML 4.01準拠のユーザエージェントでエラーなしに閲覧できます。別な表現をすると、ISO/IEC 15445:2000は見かけ上、HTML 4.01のサブセットになります。ただし、内容面で拡張があります。HTML 4.01よりも文書の階層化が意識された規格です。
ISO/IEC 15445:2000に準拠する事は、ISOの規格に準拠する事を意味します。
後述しますが、ISOや、その他の機関が、サイトの文書を監査する事はありません。しかし、サイトの制作者が、規格に準拠したのならば、その事実を表明する事は許されます。
ISO/IEC 15445:2000に準拠したどの文書にも、以下の記述をする事が許されます。
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "ISO/IEC 15445:2000//DTD HyperText Markup Language//EN">
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "ISO/IEC 15445:2000//DTD HTML//EN">
この文書型宣言は、仕様書の規定通り、文書の冒頭にSGMLの宣言として記述しなければなりません。
公開されたISO/IEC 15445:2000準拠の文書は、仕様書の規定に基いて客観的に検証できます。ただ、内容に即して適切にマーク附けされたものかどうかは、機械によっては完全に検証できない事もあり得るため、場合によっては人の目で確認されなければなりません。その点ではHTML 4.01やXHTMLと同様です。