VOLVO AMAZON MUSEUM
ボルボのマニュアルには、ディーラーや工場で使われるメインテナンスマニュアル(=ファクトリーマニュアル)やパーツリスト(=部品カタログ)、オーナー向けの取扱説明書(=オーナーズマニュアルまたはドライバーズマニュアル)などがあります。ボルボのオーナー向けの取扱説明書は、通常のブックタイプ(ボルボでは、A5サイズで基本64ページ建て)のものと、増補版と呼ばれる小冊子タイプ(ボルボでは、A5サイズでページ数はいろいろ)のものと2種類です。ブックタイプは、基本的に各年式ごとに、実車に付属されますが、別途ディーラーで購入することもできたようです。小冊子タイプは、細かい仕様の変更があった時に、通常のブックタイプと共に配布されますが、123GTやワゴン専用のものもあります。当然ですが、スウェーデンや北欧の国は、AMAZON表記であり、他の国は、121、122、120の表記です。日本版であるヤナセ(北欧自動車)のものは、単なる英語版の和訳ではなく、独自に作成されたようです(内容はそれほど変わりませんが)。また、スウェーデン警察向けのポリス仕様は、非常に珍しいです。
取扱説明書の裏表紙に、発行年月や発行枚数、マニュアルナンバーが入っています。ボルボの場合、一番ポピュラーなのは、例えば「SS1118/5.7,000.11.58」という記載で、「1958年11月に7000冊発行、マニュアルナンバーSS1118の改定5刷」を意味しています。マニュアルナンバーは、1960年頃までは、スウェーデン国内用がSS、国外用(英語版)をUSとしていましたが、その後は区分けがなくなり、TPに統一されています。アマゾンだけでなくPV544やP1800の取扱説明書も、TPの通し番号が付されています。

左:1958.04.U 右:1958.11.S :中面は、ほぼ同一の内容ですが、ツートンカラーのアマゾンのイラストが渋いです。
左:1958.12.E 右:1959.03.U :表紙は色あせたように見えますが、もともとこんな色合いだったようです。
マニュアルは、左のボルボのロゴ入りビニールケース(紺色のもの)の中に、入っています。各地のディーラーのアドレスブックも。
フィリップス製ラジオの説明書や、アクセサリーブック(オプションパーツカタログ)なども付属しています。
左:1961.10.E 右:1960.11.U :右の紫色が入っていない方が、1年古いものです。3枚目の上は、保証書兼サービスブック。
左:1962.11.E 右:1963.05.E 左:1963.10.E 右:1965.10.E
1964.10.E :ディーラーリストやスウェーデンのトラベルガイドも。親切丁寧。
1965.10.E :自国に運ぶための説明書付き。
左:1966.09.E 右:1967.10.E
1969.10.S :アマゾンの取扱説明書の最終版、表紙には1970の表記があります。
最終ページあたりには、牽引フックの紹介も。 やっぱりAMAZON表記のスウェーデン版の方が、文字のバランスがいい?
1969.01.J :ヤナセの日本語版。上の英語版の日本語訳なので、内容が同じです。
途中から123GT増補版の日本語訳も一緒になっています。一石二鳥。
1969.10.J :ヤナセの最終版。上の日本語訳と違い、随分オリジナル性を出しています。顧客志向が高いです。超入手困難品。
水濡れで、結構痛んでいます。
付属書類は、カークーラーと懐かしい富士通テンのラジオの説明書。