インターネットが普及する前は、アマゾンのカタログやマニュアルを購入しようと思うと、フリーマーケットや国内外の専門店で購入するか、個人のコレクターから譲っていただくか交換するしかありませんでした。私も当初は、今や懐かしい恵比寿のミスタークラフトの開店当初や、中野のブックガレージで購入しました。国内の個人コレクターの多くは国産車は収集しているのですが、ヨーロッパ車を収集している方は少なく、海外のコレクターや専門店に随分助けられました。今では、イーベイオークション等、ネットのお陰で随分入手が楽になっています。
カタログには、大きく分けて、センターがホッチキス等で綴じてある本カタログ、2つ折や4つ折のフォルダーと呼ばれるもの、1枚ぺらのチラシの3種類があります。ボルボでは、どの場合も、基本A4サイズとされています。また、多くの車のカタログは、本カタログ裏に発行年月や発行枚数、国名やカタログナンバーが入っています。ボルボの場合、一番ポピュラーなのは、例えば「RK6112.10,000.4.56」という記載で、「1956年4月に10000枚発行、カタログナンバーRK6112」を意味しています。カタログナンバーは、RKとURが混在しており、1960年頃までは、スウェーデン国内用がRK、国外用をURとしていましたが、その後は区分けがなくなったようです。ちなみに、私が所有しているボルボのカタログは戦後のものばかりで、PV444の一番最初のカタログが、1946年1月発行のRK5001なので、トラックを含め車種に関係なく、そこからの連番だと思われます(URの付番は不明です)。ただし、1960年8月以降(通常8月頃に翌年の年式のカタログが発行されます。この場合は1961年式のカタログ以降)、RKの後の4ケタの数字を2ケタに戻したところから始めています。また、当初はスウェーデン国内用がRKP、国外用がRKと使い分けていましたが、しばらくするとRKに統一されています。日本用のカタログは、輸入元の北欧自動車(今のヤナセ)が1961年3月に発行したものですが、発行年月しか入っていません。
面白いのは、ボルボの公式発表http://www.volvocars.com/jp/footer/about/NewsEvents/Products_Info/Pages/default.aspx?item=22
では、『1956年夏、ボルボはニューモデル、「アマゾン=Amason」を発表しました。(スペルは「z」ではなく「s」です。)この新しいモデル名が・・・』とありますが、私が所有しているアマゾンの一番最初のカタログは、「RK6112.10,000.4.56」の記号であり、1956年春には、「Amazon」と表記されていたことがわかります。当初から「z」なのか、発表時に「s」にしたのか、その後、ドイツのバイク会社と名前でもめたことを考えると、アマゾンファンには興味深いところです。
*写真下のキャプションについて:「1956.04.S」の場合は、1956年4月発行のカタログで、S→Swedishスウェーデン語版を表します。また、E→English英語版、U→USA英語版、D→Danishデンマーク語版、G→Germanドイツ語版、H→Hollandオランダ語版、F→Frenchフランス語版、SP→Spanishスペイン語版、CE→Canadian Englishカナダ英語版、CF→Canadian Frenchカナダフランス語版、J→Japanese日本語版です。