七草

 新しい年も七草のころ。日常が戻ってくる時節です。私も雪の中で仕事を始めたのですが、その寒いこと。心臓を冷たい指でつかまれるようでした。 雪の中から顔を出す若菜のパワーをもらうとしましょう。

 おせちの残りをちょっとイタリアンにアレンジして七草を添えました。
 祥瑞の小鉢に、煮詰まった煮物のすり胡麻和え。

 呉須赤絵角鉢に残り物いろいろ。
牛肉プルーン煮バルサミコ風味。
蕪寿司の最後の一個にブルーチーズを挟み、聖護院蕪の皮と京人参の炒め煮はチキンスープでにました。
 手前の瓢箪豆皿の蕪の漬物にもワイン・ヴィネガーたらして。今年はクコの実があったので一緒に漬けてみました。特においしくなるということもないけれど、色も味のうちですから。名付けて丹頂漬け。
 これで、お節もかたずきました。さー仕事だ!

 それにしても好きな仕事とはいえ、凍るような粘土の冷たさには滅入ります。しかし、どんな仕事だって楽じゃないですものね。

 高校の頃、カミュの「シジフォスの神話」を読んで、永遠に終わらない罰を爽やかに引き受けるシジフォスの強さに感銘を受けたものですが、なんのことはない。世界中の見返りを求めず日々の仕事にいそしむお父さんお母さんは、皆シジフォスだったんだ!やっと実感するとはなんと理解の遅いこと!

今年は一日一日にベストをつくそうとおもいます。新年の目標です。何日もつかな。

 七草やはや降り積もる日々の泡  おるか