おろし蕎麦
大根おろしとお蕎麦って、あいますね。おろし蕎麦は福井県が発祥の地である、と福井県の人はおっしゃいます。確かに福井県のどの町にも、美味しいお蕎麦屋さんがあります。なかには蕎麦を作る畑まで吟味しているお店もあります。そして大根もそれぞれにこだわりがあるようで、小さめの辛味大根を出す所、大根の汁だけをしぼって汁に入れるお店などなど。変化が多いということは、歴史が長いということですね。
盛り付けもさまざまです。おろし蕎麦は深めのお皿に、ぶっかけにして呈するのが古式であるというひともあり、またお皿に盛ったお蕎麦に蕎麦猪口のお店もあり、となかなかに変化があって楽しいです。
蒼黒い野趣のある越前蕎麦と素朴な大根のとりあわせは、里山の冬の味ですね。
写真は、赤絵の平鉢におろし蕎麦。雪達磨の蕎麦猪口にしぼり汁いりの汁。赤絵唐子遊び馬上盃に薬味いろいろ。
後の赤絵金彩小鉢には暖かい茸蕎麦。金で「雪月花時最憶君」と白居易の詩の一節を書きました。
左奥の長四角の皿もから子遊び模様で、凧揚げている唐子が描いてあります。その上にこれも福井名物焼き鯖。焼きピーマンとエリンギ添え。
そういえば、近江に鼠大根を探しに行ったこともあったなぁ。小さくて辛い大根なんです。そのときの句
鼠大根 閻浮檀金(えんぶだごん)と北風に おるか
風の中で○○大根といったのが良く聞き取れなかったというだけのことなんですけどね。滅び行く貴重な大根の品種への思いを重ねております。
思ひ出の道大根の干されをり おるか
今日は福井県名物でお昼です。オットセイさん、よろこんでくれるかな。十二月三日はオットセイさんの命日です。
2012年12月3日
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