冷やしうどん

 暑い日が続いています。冷たい麺類が恋しい季節。麺食いのわたしには嬉しい季節でもあります。

 写真は稲庭うどんです。冷麦と見まがう細さ。しかし、腰があって、曇りガラスのような半透明で、美しいうどんです。

 染付けの菓子鉢に、海藻をちらして涼しげに。蓮華に薬味を入れておくと、パコッと汁に投入できてらくですね。

 蕎麦猪口は定番の朝顔に普通の汁、線香花火に水沢うどん風に胡麻くるみ出汁、三つ目は模様が良く見えませんが遊亀。自由に泳ぎまわる亀さんの模様です。汁ではなく、もずくの酢の物を入れました。

 毎年、今年の夏の新蕎麦猪口を一つ作ります。去年は風鈴その前は団扇と扇子でした。今年は、フフ、まだ秘密です。

 奥のちしゃ菜向付には、これも夏の定番ゴーヤ・チャンプルーです。島豆腐ではなく白山豆腐を使っています。

 全国に名物うどんがありますね。あちこち食べ歩いたものです。

 勿論四国高松のうどんはどこの店も美味しかった。酢橘を搾る食べ方を教えてもらったのも懐かしい思い出です。
 群馬県水沢のうどんは胡麻や胡桃の風味がめずらしく、本家、元祖、始祖等等、考えたな!という看板のお店がならんでいるのがおもしろかったです。なかでも稲庭うどんは繊細さと筋の通った腰の強さを併せ持つ大好きなうどんです。
 稲庭うどんの職人さんが聞いたらお怒りになるかもしれないけれど、残ってしまったうどんを、あとで焼きうどんにしても、とても美味しいの。ギョーザのエンガワよりも、うすくパリパリの稲庭うどんのエンガワって、B級グルメコンテストに出したいくらいです。

むかしむかし、こんな狂歌を作りました。「うどんひとすじ」折込

うたかたのどんな夢よりひやしむぎときどき逃げるすきっ歯かなし

おそまつ!

 炎帝に隠れて器みな藍に  おるか