筍三昧

 

 新緑のまばゆい季節になりました。はしりの筍をいただいたのでさっそく筍御飯です。

 奥のお皿は千切り筍を生春巻きに巻いて見ましたシャキシャキした筍の食感が楽しめます。他の具はなんでも言いのですけど今回はよくある人参にシラタキ、彩にスモークサーモン。お皿はスッキリした市松文様の菱型皿です。
 右側は芙蓉手モンスター・マスクの兜鉢に筍とつぶ貝の木の芽和え。
木の芽和えは「西京味噌を味醂でのばし、とろ火でぼってりするまで練る」とレシピ・ブックにはかいてありますね。たしかにその方がおいしいかもしれませんが、このごろは様々な調味用味噌があるのでそれをつかいました。盛り合わせた上からかけるだけで、とっても簡単。
 ただ市販のものは私には少ししょっぱいので茹でた小松菜と山椒の芽のみじん切りを混ぜました。

 筍御飯が炊き上がって蒸らしているまにできる簡単おかずです。
 橋立港に上がった生きの良いつぶ貝はとてもおいしかったです。旬の食材どうしはよく合うものすね。
なかでも、筍と山椒の芽は、神様ありがとうといいたくなる、まさに出会いの絶景!

 芙蓉手の鉢には 内型でレリーフがあります。磁器ならではの技法といえるでしょう。兜をひっくり返したような形なので兜鉢といいます。子供の日も近いので出してみました。
 季節の催しに合わせて、しつらいを替えてみたり器を合わせてみたり、ささやかだけれど心の深いところがよろこんでいるような。

 移り変わる季節の、その日その日の風情を味わうのが、楽しい。肴がなければ庭の花を一輪お皿にのせれば、楽しい。

 木目が暗い水の輪を思わせる欅のお盆に青楓と金魚を遊ばせて。今年は不如帰の声が聞けるかな。はかない楽しみかもしれないけれど。

 窯出皿ちりと鳴く夜も緑 おるか

2011年5月2日