夏の色

 

 長い梅雨でしたが、もう蜩が鳴き始めました。

 光と影の八月。日本の夏。小西晃さんの瑠璃色ガラスのお皿に鰻と胡瓜の甘酢かけを盛ってみました。

 鰻は白焼きが手に入るといいのですが、無いときはたれをさっと洗い流して焼きなおします。板ずりした胡瓜を蛇腹に切って添え、鰻が熱いうちにお好みの味加減の甘酢をかけます、天盛りは生姜の甘酢漬けにしてみました。

 お皿の宇宙的な深さの瑠璃色を賞味する一皿です。皿の縁のあえかな金粉が、あたかも泡宇宙論を示現したかのごとく煌きます。

 食欲の衰える夏場は、ひたすら目で食べます。

  

  天涯の崩れ蜩降注ぐ   おるか