金時草

 夏の代表的な加賀野菜のひとつ金時草。何年か前にも取り上げましたが、お隣から頂いた初物があまりにも美しかったので活けてみました。葉裏の高貴な紫色が涼しげです。普通は茎は硬いので食べないのですが、摘みたてで柔らかだったので全草いただけました。

金時草のどことなく品格ただようたたずまいにあわせて、祥瑞茶碗を花器にに見立てました。

 左下のころんとした南瓜も到来物。「坊ちゃん」ていう品種だそうです。端整で可愛くて、ぼっちゃんとはぴったりの名前をつけたものだと感心しました。

  

 坊ちゃんてふ南瓜と句坐を同じうす   おるか

 魯山人も「野菜は畑から取りたてにかぎる」といっていたそうですが、確かに味が違います。多少虫に齧られているのは美味しいしるし。余談ですが、山の泉の水もヨコノメという虫がいたら飲んでも大丈夫なしるしです。自然の水にその虫がいなかったら「なにかある?」と思った方がいいのです。
 ともあれ、いつも、もぎたて胡瓜やトマトを頂いて、「あぁ持つべきは野菜作りの上手な隣人!」と感謝する毎日です。

 

 ほのかなぬらめきがおいしい金時草。以前にとりあげたときも「おひたしの他考えつかない」と書いていますが、いまだ考え付きません。せめてトッピングをかえて酢橘(これも頂戴物)を添えてみました・

 やや厚手の瓜形の小鉢は夏料理には出番の多いもの。染付の散蓮華で芥子を添えました。

 

  テロ地震五輪戦争夏料理    おるか

2008年8月4日