お茶漬けさらさら

 今日も曇りのち雨。北陸はいつ梅雨入り宣言してもおかしくないお天気がつづいています。緑は一入濃くなって木陰の闇は深く、蝶の飛ぶのもたゆたげです。それでもこの時期の季語は好きなものが多い。南風、黒南風、青嵐、虎が雨…。雨の名前も風の名前もなんて豊かなんでしょう。季語ではないけれど、にわたずみ・にはたづみ、も好きな言葉の一つです。小さかった頃水溜りをバシャバシャしたくて雨がやむのを待ちかねて出てゆくと、水面に驚くほどくっきり枝の上の空の青が写っていた記憶があります。

 それでもなんとなく食欲がないことも多くなりますね。そんな時は手軽にお茶漬け。炊き立てご飯のお茶漬けはささやかな贅沢気分です。
 あっさりした染付の青蔦文様平鉢に紅鱒と山葵茎の海苔佃煮和えなどのせて加賀棒茶を注ぎます。加賀棒茶のお茶漬けはさっぱりして香ばしく、ぶぶづけや緑茶のお茶漬けより、私は好きです。お薦めです。
 右上の小さな猪口は線香花火の文様。わさび漬けと梅干(自家製です!)が入っています。鯰箸置きも六月の光の中でたのしそうです。

  箸置きて旅に出やうか青嵐   おるか

2008年6月2日