春が来ました。

 山里にも漸う春がきました。庭の枝垂れ桜も裏山の山桜も開花寸前です。菜花のピーナツ和えを塗り物の板の上に置いてみました。こちらも山中塗りの佐竹さんの作品です。佐竹さんの奥さんの在所の神社が取り壊されたとき、古い木材をいとおしんで再活用されたのだそうです。前菜を盛るによし。干菓子も楽しく、時には一輪挿しの花台にもいい。軽やかな器になりました。

 おくの扇形手付鉢は、薄い瑠璃釉をすかして下絵が夜桜の風情です。その上に金彩。金と瑠璃色は古代エジプト以来の定番の配色ですが、金があんまりピカピカしているのは私は一寸苦手です。少し沈んだくらいが好き。それが光線の具合でふっとほのめくくらいがいい。

 湯葉巻に庭先で摘んだ芽三つ葉を添えて、それと昆布巻きを八寸風に盛り付けてみました。

 

   菜花畑鯨の歌がききたくて   おるか

 

2008年4月7日