立春大吉

 

節分も過ぎはや立春。ふと気がつくと、沈丁花の蕾が随分大きくなっていました.部屋の中に置いたらきっとひらくでしょう。雪国の、和紙を通して降ってくるような薄明かりの午後、加賀棒茶でおやつにしました。時節柄(?)豆にこだわりぬいたという甘納豆を近所のお菓子屋さんで買いました。大納言小豆のつぶつぶがめでたいですね。

 いつも不思議に思うのは節分の豆は何故大豆なのかです。アズキは赤の魔よけ効果から、おめでたいときには必ず、お赤飯の中にお粥の中に、威力を振るってきました。豆そのもので鬼にぶつかる節分はアズキにしたら、ここ一番の見せ場じゃないかとおもうんですけどねー。

 節分の飾りの鰯の頭とヒイラギの葉っぱも、ちょっと不思議ですくさいです。ヒイラギの葉っぱは西洋でもクリスマスの飾りなのはご存知のとおりです。、フレイザーの「金枝篇」では、あの赤い実が血の色で生命力と火の色で太陽を表し、冬至の太陽の再生を象徴しているというようなことでした。ヒイラギの一枝から古代の東西文化交流史を想像するのもそれなりに楽しいですけど、まぁ、どこの世界でも人間は赤い色を見ると生命力かんじるのでしょうね。どうも大豆と小豆はどこかですれちがったのじゃないか、とお茶をしながらうつらうつらと考えました。外は雪催い。

ぐいのみを通る光の二月かな   おるか       

2008年2月4日