新豆腐

 ふっくら丸くて、軽くて丈夫。 瓢箪を初めて見つけた人間は「なんて便利なんだ!」と思ったことでしょうね。ひょうたんの中には宇宙があります。アフリカからアジアまで、瓢箪の神話は数限りなくあって、瓢箪文様を考えるとあまりおくが深くて先が見えない感じ。

 ともあれ、新豆腐など食べながらあれこれ想像するのは楽しい。枝豆豆腐は福井県丸岡町竹田で買いました。加賀市の山中温泉から永平寺方面へ行く道の途中にあります。静かな村落に早稲の稲刈りが始まるころでした。

 写真右奥は瓢杓。煎茶で水差から水を汲むのに使います。右の小さな四方皿は暗くてちょっと見にくいですが、同じお店で売っている胡桃味噌。

 ついでに、豆乳プリンこれも美味しかったです。

   

2007年9月2日


文様あれこれ(おるか) (毎月第三月曜日)  「水、流水

  青水沫言問ふ川に罔象女(みづはのめ)あそぶと見しはもゆる陽炎  谷川健一

 日本民族学の泰斗、谷川健一氏の第二歌集「青水沫」より。
 折口信夫以来の水の女のイメージが美しく結晶した冒頭の一首。透明な光のたわむれあふれる、はるかな浄福感が印象的です。

 地球という惑星の水の中で奇跡のように生まれた生命。何十億年も途切れずに、私達の体の中に太古の海の濃度が今もたもたれています。水は女性的なもの、母なる命の源郷のイメージがあります。しかし台風や大雨のようにひとたび荒れ狂うと人間の力などとうてい及ばない猛威を振るう。命の源であって、時には命を奪うもの。うつくしさとおそろしさとを併せ持つ水のイメージの二面性に惹かれます。

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