「文月の巻」

発句(秋)   文月やつひにポラリス見つからず  ぎふう
 脇(月)      白い河ゆく舟に出る月  とびお
 第三(秋)  肩触るる秋雨愉しき傘のうち  ぎふう
 四(雑)     口笛吹いて海見に行こう   ぎを
 五(夏)   アロハ入れたかい真っ白なメルセデス  洗濯機
 六(夏)     古地図にある南島の滝  とびお)

 一(夏)    日のしぶき浴びて鳳梨さんさんと  ぎふう
 二(雑)      時計の針の滞るごと  藻塩草
 三(恋)    澤瀉屋いよ入神の道成寺  洗濯機
 四(冬、恋離)  羽子板市に人波の揺れ  藻塩草)
 五(冬)     風花に碧落といふ果てありて  おるか
 六(雑)      牧師は以前宇宙飛行士  とびお
 七(雑)   『From A to Z』裏庭で隠れ読み  (藻塩草
 八(雑)     通りすがりにほめる枝ぶり  洗濯機
 九(雑)   本日は太巻き寿司の海老の色  とびお
 十(春の月)  投網に砕く月の朧に  おるか
 十一(花)   鬼がきて身体を洗う花の夜  とびお
 挙句        佐保姫の唄まどろみつ聴く  藻塩草

 

水族館ログ 777〜1142