発句 (秋) 星合や夢にこほりの驛に入る
脇 (月) シュールな月の銀河鉄道
第三 (秋) 朝顔の蔓は電信棒に伸び
四 (雑) いぢめを避けて休む学童
五 (夏) 山蟹を採取する眼の生き生きと
裏移 (夏) 遊泳禁止立札を無視
一 (夏) 面倒な規則は抜きに西瓜割る
二 (雑) 日本男児の心意気なり
三 (恋) 小町ならいつかは分かる恋心
四 (冬、恋離) ほとぼりさめし冬の卒塔婆
五 (冬) リア王のごとき我身に月冴えて
六 (雑) 喉赤くして唄ふ道化師
七 (雑) 絵付け筆その鼬毛の美(は)しきわざ
八 (春) 木の芽和へたる器歳時記
九 (春) 日々は是好日となる春一日
十 (春) イースターとは卵の終末
十一 (花) ルシフェルも花爛漫に呑み込まれ
挙句 氷水溶け再会を待つ
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