第66回水族館ネット句会
「数字」「単位」
◎◎◎○○ 二番蚕も馬づらにして遠野かな 柚香
◎◎○○○ 片足は三和土踏まえて三尺寝 かりんとう
◎◎○○ 桐の花白根三山また退る 織女
◎○○○○ 黴の匂ひに分銅の一グラム 真里子
◎○○○ くろあげは一頭父祖の川一筋 九鼠
◎○○ 蚊を打つや論語憲問第十四 柚香
◎○ 一筋のあしあと確かにかたつむり こはぎ
◎ 三人は半端な数か椿の実 お軽
○○○ かつて墓地なり花菖蒲五千本 お軽
○○○ 冷酒一椀晩年を見はるかす 九鼠
○○○ 一閃といふ刻もたず蟇 真里子
○○○ 永劫の旅のある日の鱧の皮 おるか
○○○ ほととぎす三角点の濡れ始む おるか
○○ 木の床にからだはなてば三尺寝 海渡
○○ 茄子漬二艘の舟の沖へゆく 海渡
○○ 魚の目の一つ涼しき今世紀 織女
○○ 六月の蔓やしずかにしたたかに 九鼠
○○ 焼酎や我は一つの管なりし かりんとう
○ 夕薄暑包丁二本研ぎ終へて KUMI
○ 鉢植の古木に十ほどの実梅 真里子
○ 一本の薔薇に釈明してもらふ 柚香
○ 蝿一匹ゆるし厨の灯を消しぬ KUMI
○ 昼寝の顔に見えて五劫思惟の顔 洗濯機
○ 忍冬の花の盛りを四つ目垣 桑
夢一夜源氏の池に蛍舞い こはぎ
梅雨近し気圧の谷の一気圧 洗濯機
サーファーの千の波より雨嫌ふ 織女
わが一句おかしみに欠け雲の峰 お軽
新じゃがや三坪の土間にころがせり 桑
郭公や神殿風を吹き入れて かりんとう
汗も千粒千両の蜜柑かな 洗濯機
夕虹や100ミリの雨楽しかり 海渡
紫陽花七色八色の雨の寺 こはぎ
百三の翁の訃音や鉄線花 桑
軽鴨の子のいつしか一羽欠けてをり KUMI
汐招き招くよ5キロ瘠せたれば おるか
投句のみ:お軽 選のみ:ふくさん