第61回水族館ネット句会
雑煮 数の子 鏡餅
◎◎○○○○○○ 火種まだ置かれぬ鍛冶屋鏡餅 織女
◎◎○○○○ 数の子をつまみにアガサクリスティ こはぎ
◎◎○○ 数の子に音の目出度さありにけり 真里子
◎◎○ 西方に闇のちからや鏡餅 お軽
◎○○○○ 雑煮炊く海は一つの船もなく こはぎ
◎○○○○ 鏡餅月のかたちに割れにけり 海渡
◎○○○○ よき鳥の軒にあそべる雑煮かな 柚香
◎○ 戦なき世の数の子を眩しめる 桑
◎ 海霧や雑煮の湯気や淡路島 九鼠
○○○ 習うとは倣うことなり鏡餅 かりんとう
○○○ 出動のサイレン響く鏡餅 柚香
○○○ 井戸神を斎く大きな鏡餅 桑
○○ 正眼に構へて鏡餅を割る 九鼠
○○ 数の子や古酒はグラスをよく磨き 洗濯機
○○ 鏡餅座れば海の見えざりし 織女
○○ 喧騒のTVの画面雑煮餅 かりんとう
○○ 馬小屋の灯暈もつ鏡餅 柚香
○ 諳んじる県庁所在地鏡餅 真里子
○ いろいろな苦楽あはせて雑煮かな 海渡
○ 雑煮いただく半日の家族かな 洗濯機
○ 縁あって婿に行きます初雑煮 海渡
○ 庭の木に赤鵙のゐる味噌雑煮 九鼠
○ 小豆煮て細かく砕く鏡餅 ふくさん
○ 鏡餅夫婦善哉の塩加減 洗濯機
○ 些事ながら雑煮の餅の伸び加減 真里子
雑煮餅焼くか煮るかの長談義 KUMI
窓をゆく大き白雲雑煮椀 お軽
年迎ふことを猫にも鏡餅 織女
雑煮食べ心新たに出掛けたる ふくさん
午後の影壁に背きて味噌雑煮 おるか
数の子は財布と値段相談し ふくさん
夢ひとつ心に懸けて雑煮食う かりんとう
核家族にて落日の鏡餅 おるか
鏡餅欠けらとなれば手につつみ おるか
こだわりの具にかこまれて雑煮もち こはぎ
若者が噛む数の子を軽快に KUMI
哀感のはじめの音を数の子は お軽
習はしを守らぬ雑煮姑に詫び 桑
雑煮椀仕上げに青菜ひとつまみ KUMI