第60回水族館ネット句会
兼題 ; おでん、湯豆腐、熱燗、夜鷹蕎麦、蕎麦湯
◎◎◎◎ 地中海の蛸串刺しにおでん煮る 桑
◎◎○○ 訃報くるおでんの玉子黒く煮え 九鼠
◎◎○○ おでん屋の座布団の下海鳴りす おるか
◎○○ 独り客つづく店なり蕎麦湯吹く 真里子
◎○ おでん屋の屋台ゆるゆる火事近し 織女
◎ やめどきの話のやまず夜鷹蕎麦 おるか
○○○○○ 湯豆腐の湯に浮く力強さかな KUMI
○○○○ はんぺんの暴発しさうおでん鍋 KUMI
○○○ 船の灯かと思ふ熱燗なみなみと おるか
○○○ 燗熱くして風の音胸の音 九鼠
○○○ 論果てるおでんの湯気のこちら側 洗濯機
○○ 北へゆく列車の音やおでん鍋 お軽
○○ 大魚釣る夢のありけり夜鷹蕎麦 織女
○○ 化かされてゐるかも知れずおでん酒 真里子
○○ すすりたるおでんの皿に雪の入る 海渡
○○ 燗酒やしみじみと髪うすくなり 柚香
○○ 燗酒に頬てらてらと権の禰宜 かりんとう
○ 湯豆腐やおせつかいてふ悪業を 織女
○ 師のめがね曇らずにある蕎麦湯かな 海渡
○ 蕎麦湯吹く母の匂ひに袖通し 柚香
○ 鴎外にゆかりの庵の蕎麦湯吹く 桑
○ 熱燗や男盛りの仲買人 かりんとう
○ 酒は熱燗亡き友を語るとき お軽
○ 角皿に燻製チーズ燗熱く 真里子
悲しみもときには熱し夜鷹そば お軽
熱燗やま〜るくなりて父の肩 かりんとう
熱燗やはるかな夢を契りたり 海渡
おでん豆腐おもんぱかると読めないで 洗濯機
熱燗の湯気が招くか極楽湯 ふくさん
湯豆腐の老舗を思う南禅寺 ふくさん
湯気だけはまともな暮らしおでん鍋 洗濯機
夜鷹とふ生業ありき夜鳴きそば 九鼠
おでん食ふ芥子に噎せたふりをして 柚香
熱燗やほろり本音をこぼしけり 桑
熱燗は手酌でありし父のこと KUMI
蕎麦湯のみ手打ちの味の懐かしさ ふくさん
投句のみ : 海渡
2006年12月