第57回水族館ネット句会 兼題;爽やか 冷やか
◎◎○○ 爽やかや造船の町よく掃かれ お軽
◎○○○○ その野菜ごろりごつんと爽やかに 真里子
◎○○○○ 秋爽か父の遅足を待ちをれば かりんとう
◎○○○ 文鎮を置きたる影に秋の冷え 柚香
◎○○○ ひややかに流木の向き変はりたる 織女
◎○○○ テノールがソプラノを追ふ爽やかに 柚香
◎○○ 秋冷の木道踏めば沈みけり 織女
◎○ 爽やかや薄き紅さす観世音 KUMI
◎ 爽やかに言葉をひとつなだめけり 洗濯機
◎ 額田王秋冷の指ほそき お軽
◎ 野の花を活けてロビーの爽やかに 桑
◎ 鳴き通し爽やかに屍となりゐたり 九鼠
○○○○ 豆腐屋の豆炊く湯気や朝の冷 KUMI
○○○○ さやけしや我に近づくあはじ島 九鼠
○○○○ 爽涼や全問YESのアンケート 洗濯機
○○○ 打つ釘の曲がりて柱冷え冷えと 柚香
○○ 爽涼の大樹の幹を追へば空 真里子
○○ 利酒の舌にまろべる爽気かな KUMI
○○ 秋冷の大阪の灯にもどりくる お軽
○ みちのくの冷気を頬に露天風呂 桑
○ 雨冷えの磴百段を奥宮へ 桑
○ 鉄骨を歩く鳶職秋爽やか かりんとう
○ 秋爽や工業団地の二期工事 洗濯機
○ 冷ややかな青きインクを使ふ季(とき) 美頬
○ 爽やかや木椅子にをれば木の温み 織女
○ 放吟の衿ゆるやかに冷やかに おるか
風邪病みの頭に冷ややかなる枕 玲奈
冷ややかな朝の空気を家にいれ 玲奈
秋冷にやや急かされて記す文 真里子
月冷ゆるオリオン美男なりしとか おるか
どこぞより昼のラジオや秋爽やか かりんとう
単衣着て歩く風の爽やかに 玲奈
嶺爽やか旅にコクトオ旅日記 おるか
大法螺を吹き爽やかに襟正す 海渡
ひやひやと吹かれて軽し虫の殻 九鼠
ひややかや路地裏で見ゆ己が影 海渡
爽やかに赤子を抱き帰りしか 美頬
爽やかや空蝉の殻転がれり 海渡
爽やかな言(こと)いふ人とある日知る 美頬
投句のみ:美頬 選のみ:ふくさん
2006年9月