第55回水族館ネット句会 兼題;団扇 扇 日傘
◎◎◎○ 日傘かかげ忽ちとほくなる人よ 真里子
◎◎○○○ やはらかき音を日傘に天気雨 KUMI
◎◎○ 日からかさ群れ翔ぶ海猫にかざしけり 柚香
◎◎○ 海開き扇をひらくやうに波 織女
◎○○○○ はろばろと日傘の集ふ休火山 おるか
◎○○○ 母おこす団扇の風を取り合ひぬ ふくろう
◎○○○ 落ち着かぬ畳の上の団扇かな 九鼠
◎○○○ 丹の佃小橋を渡る白日傘 桑
◎○ 自転車の追ひ越してゆく白日傘 海渡
◎ 蚊を叩くわけでもないが団扇ふる 玲奈
○○○○○○○ 銃のごと胸より扇子とり出す KUMI
○○○○○○ 動かなくなりし添ひ寝の団扇かな KUMI
○○○○ あきらかに機嫌の悪しき扇子かな 柚香
○○○ 昔へと団扇手にゆらゆらとゆく 真里子
○○ 少年に日傘の人が道尋ね かりんとう
○○ 白檀の香の風の扇かな ふくろう
○○ にょっきりと脚二本あり砂日傘 柚香
○○ 午後長き日本の裏や渋団扇 おるか
○○ 子の手なる手漉きの和紙の団扇かな ふくろう
○○ 白日傘東西南北の風に向け 織女
○○ 絵日傘で回転橋をまはしけり 九鼠
○ 潮騒や日傘のなかの昼の顔 お軽
○ 志ん生のご内儀片す破れ団扇 かりんとう
○ 日傘さす女の犬歯研ぎ澄まし 玲奈
○ 海色の団扇とモネの睡蓮と 九鼠
○ 江戸気分打ち水団扇汗光る ふくさん
○ 枇杷色の月影浸す白日傘 海渡
日傘白し歩き出したら他人になる 洗濯機
ハンカチも軒も日傘にかなわない 洗濯機
蕎麦食ふて団扇貰はる会津里 かりんとう
へなへなの団扇を使ひ母あふぐ お軽
六月尽去年の日傘どことなく 洗濯機
和三盆ざらめを棚に秋団扇 織女
高島の扇の館夏野菜 ふくさん
賜はりし扇に垂るる浅葱の緒 桑
みどり児に送る団扇の風やさし 桑
句なき日やどこぞ欠けたる団扇掛 おるか
夏祭り揃いの団扇白々と 玲奈
京に住み扇のかざと無縁なり 真里子
何よりも辞儀がたいせつ京扇子 お軽
白日傘つがひの蝶でありけりな 海渡
猛暑きて日傘雨傘梅雨知らず ふくさん
選のみ;こはぎ
2006年7月