第52回水族館ネット句会 兼題;恋の句
◎◎◎○ にごる空より大阪の恋雀 お軽
◎◎○○○ 独活強(こは)しミケランジェロの恋文も おるか
◎○○○○ 堅香子や万葉の恋おほらかに 桑
◎○○○ 花過ぎの宙かたちなきもの恋ふる 真里子
◎○○○ 神々も妻を恋ひをり柳の芽 織女
◎○○○ めりけんはとばひとのこひはとのこひ 九鼠
◎○○ クレソンを摘む指君に触れた指 柚香
◎○○ 君の名の谺が返る春夕焼 柚香
◎ 君の肩小さくなりぬ櫻雨 海渡
○○○ はつこひのあはあはと玉巻くキヤベツ 九鼠
○○○ 恋すてふきつねのぼたん咲き初めて 九鼠
○○○ たんぽぽの絮そっと吹き片想ひ 柚香
○○ 牡丹の闌けて微熱の人愛す おるか
○○ 戯れに人恋ふ一句万愚節 かりんとう
○○ 春の燈をおとし逢瀬の奈落まで 山猫
○○ 春深し恋歌なれど間延びして 真里子
○○ 恋猫の一歩月光ふりかぶり お軽
○ 雛様と流しましょうね恋の肝 おるか
○ 相聞歌雉のほろや茶の畑 桑
○ 春宵の抱けばひっかく君が好き 山猫
○ 斑雪図書館の司書恋初むる かりんとう
○ 恋を恋ふるころや蒲公英吹きながら 真里子
○ メーデーや涙はやすく恋はうすく 洗濯機
○ 花筏ともに海の果てまでも 玲奈
○ 春嵐ついと肩を寄せられて 玲奈
鳶交りゐたりし枝も潮ぐもり 織女
俤を恋ふて桜の吹雪きけり 山猫
恋死にや花のニュースの大写真 洗濯機
詩の神の柳の楽譜奏でをり 海渡
散る桜見返りもせで去りにけり 玲奈
春嵐こがれそめしは風の朝 洗濯機
薔薇の芽や美女と野獣の物語 桑
風光る恋のスカート摘む指 かりんとう
藍甕に櫻の君をこぼしけり 海渡
恋すてふわが名や春の風が吹く お軽
投句のみ;玲奈 選句のみ;こはぎ
2006年4月