第51回水族館ネット句会 兼題;温泉、風呂
◎◎◎○○ 春日遅々温泉卵ひとつ割る 真里子
◎◎◎○○ さへづりや湯舟の底に砂すこし おるか
◎◎○○○○ 行く雁や木戸に立てかけ湯揉板 柚香
◎○○○○ 隠し湯のとろとろ洩れて雪間草 九鼠
◎○○○○ 湯の宿の夜を轟々と雪解川 KUMI
◎○○ 桜餅熱風呂好きで江戸つ子で KUMI
◎○○ 冴返る温泉掘削現場かな ふくろう
◎○○ 雁風呂やももいろの灰揺らめきぬ 海渡
◎○○ 咳の一つあつたきり昼の風呂 洗濯機
○○○ はたと暮れたる湯殿山水芭蕉 おるか
○○○ 湯の宿のかたき枕や花の頃 お軽
○○○ 露天の湯春満月をくづしつつ 山猫
○○○ 彼岸西風つるりと温泉玉子かな お軽
○○○ 薬湯の屋根に沁み入る春の雨 九鼠
○○○ 蕗味噌と会津訛りの湯宿かな かりんとう
○○○ 湯殿より九九の聞こゆる春休み 桑
○ 湯煙の中より山菜談義かな 柚香
○ 湯ほてりの頬と椿の一輪と 真里子
○ 湯の華を咲かせてをりしが春の夢 山猫
○ 湯屋の前裸参りの列整ふ 柚香
○ 銭湯に沈丁花咲く庭のあり 玲奈
○ 花冷えや連れて出かける仕舞ひ風呂 洗濯機
○ 湯治場に馬つながるる彼岸かな 山猫
○ ひと節を唄ふ湯船やおぼろ月 KUMI
○ 笹鳴きを一人じめして露天風呂 桑
○ 湯の町のはづれの桜吹雪けり お軽
○ 目を閉じて温泉に入る老いし猿 玲奈
深更の湯音かそけし妻の春 かりんとう
霞立つ温泉津の町はうす墨に 海渡
月朧湯船に時の遙かなる 真里子
温泉を出て身にしみる寒の戻り 玲奈
湯煙やもくもくとして春彼岸 洗濯機
母の忌の今日あたたかし湯治して 織女
湯灌して涙をぬらす春の雪 ふくさん
残雪の山の輝く秘湯かな 九鼠
兜子忌の湯の面に春の雪せつせつ おるか
海沿ひに岩道超へて椿の湯 かりんとう
淡雪はクリカラモンにみかたの湯 ふくさん
温泉を目指す女等春の風 ふくろう
ぼたん雪坂井市となる「たけくらべ」 ふくさん
春苺摘まみゆらせり浮世風呂 海渡
雁風呂や語りつがれし外ケ浜 桑
銭湯の壁面アートおぼろ月 ふくろう
投句のみ:山猫、玲奈 選のみ:こはぎ
2006年3月