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第50回水族館ネット句会   兼題;街、町、市、都会

 馬市を囲みて春の霜柱   織女
  街凍てて無音といふも海の音   九鼠
◎◎○      のっぺりと春めく町の絵看板   かりんとう
○○○    街に森を造る相談日脚伸ぶ   九鼠
○○○    吊革の手首余寒の街に入る   真里子
○○    海近き町の明るし吊るし雛  明美
     恋猫の恋も醒めたる永田町  山猫
○     いく世経し室町雛を飾りけり  桑
○     湧水町水滔々と雪霏々と  洗濯機

○○○○  初蝶を見し日の町のしづけさよ  明美
  紺屋町あたりで消えし雪女   九鼠
  春のパン焼き上がりをりパール街   海渡
○○○○  春疾風町にふたつの法華寺  柚香
○○○   この町に大学ひとつ木の芽晴   KUMI
   海市消ゆだしぬけに翔つ大鴉  柚香
○○○   街路樹も息深くなり余寒かな   こはぎ
○○○   都まで川いくすじや堤焼く   織女
○○    町ごとに物語あり春隣  こはぎ
○○    梅ヶ香や旧街道を朝帰り   洗濯機
   辛夷咲く甲府市アルプス通りかな   KUMI
   豆を撒く市長裃よく似合ふ   桑
   凍蝶や始発の町に住みし頃   ふくろう
○    オリオンの光届かず夜の街   玲奈
    街路樹の剪定されし枝の嵩   KUMI
    町の名に歴史ありけり春おぼろ   ふくろう
    マスクして目を凝らしゆく都会かな  こはぎ
○    はるばると都を訪ふて冴返る   山猫
○    淡雪や庁舎ばかりの高き町   真里子
    材木町裏の水門柳絮飛ぶ  柚香
    梅が香の星降る街を歩きけり  山猫
    見下ろせる町は白峰座禅草   ふくさん
○    街の灯も男の息も朧なる   明美
    やちまたに虚日の傾ぐ寒造り   おるか
○    闘鶏に円ふ男等市の隅   かりんとう
○    街騒を離れ木の芽のつまびらか   真里子
○    猫の恋はるか街超え山超えて   玲奈

合併のなりし市議選春の雷   桑
街の灯を路上に踏んでかの子の忌   お軽
ビル風を受けつつバスを待っている   玲奈
春雨や街は宇治茶の萬福寺   ふくさん
青首大根朝市のこゑがとぶ   お軽
刃に伏しし薬子の南都冴返る  おるか
げんまんや鳥の戀さへ鎮めをり   海渡
消えかかる都大路の春の虹  お軽
冴え返る都会の空にこゑ合はし   海渡
寒椿踏みて猫町見えさうな  おるか
町に住む人ほがらかに雛祭   洗濯機
町長の作り笑ひや二月尽  かりんとう
ふるさとの町ふるさとの匂ひ春   ふくろう
メダル無くトリノ五輪のなみだ街   ふくさん
朝市の舟の着きけり春ならひ  織女

 

2006年2月

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