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第45回水族館ネット句会

台風 野分

◎◎○○○○ 高志国の野分の橋を薬売り   おるか
◎◎○○○   台風一過の鍋底の煮ころがし   真里子
◎◎○○    黙々と草喰む馬や野分雲   山猫
◎◎○○    野分あと遠きジンタを聴いてゐる   真里子
○○○○ 台風のそれたる白きつちふまず   おるか
○○○   短信の強き筆圧台風裡    真里子
○○    台風過草木は潮の香に満ちて    こはぎ
○     大野分六十からが面白し    九鼠
○     野分跡鴟尾の眩しき東大寺   桑
      野分まだ遠き大空風の盆    織女

○○○○  台風の予想進路の糸瓜棚    九鼠
○○○   ときをりはしづけさ湛へ野分来る    明美
○○○   煮炊きの火ひときは青し野分の夜   明美
○○○   台風を待ついちにちの長きこと   KUMI
○○○   しなやかに樹々の擦れ合ふ野分かな   KUMI
○○    野分雲へ草鉄砲をうちにけり   織女
○○    生薬の角に貝殻野分晴    織女
○○   翅あるもの翅をたためよ野分来る   KUMI
○○   台風の後姿や祭笛     洗濯機
○○   風神のほしいままなる野分かな   かりんとう
○○   野分雲喉くだる水なまぬるき   柚香
○○   野分あとますぐに茎の天に立ち    海渡
○    台風過先祖は海より来たと知る    こはぎ
    野分過ぎ帰らぬ猫を月に呼び    山猫
    台風が雨風連れて田や畑    ふくさん
    野分めく遠の灯台点りけり    柚香

訪へば大和の国は野分晴    桑
台風の目の奥ふかきに見えし星    美頬
飛ばされし野分の小鳥川下へ    海渡
うずくまり野分に耐へる小鳥かな   かりんとう
微笑みの謎タイフーンの舞ひにけり    海渡
台風に小枝折られた街路樹   玲奈
台風や無用の用の用ばかり    洗濯機
台風や眼はぱっちりと色白で    九鼠
こころまで濡れて台風やり過ごす   山猫
疾くゆるく雲の鼓動か台風来    こはぎ
汲み置きし水も震へり大野分    明美
木原笹原なんば走りの野分かな    おるか
吹き返しハンカチなども飛ばしたり    玲奈
台風やつがひの蝶にならないか    洗濯機
カトリーナブッシュの頬に張り手かな    ふくさん
かきわけて野分の見舞いの客となる   美頬
颱風のはしりはむしろなまめきて   かりんとう
台風ではじまりしかの物語   美頬
雨の漏り夜も眠れず野分かな    ふくさん
真鍮の燭台備へ台風来    桑
台風が過ぎて天気が悪くなる    玲奈

 

投句のみ ; 玲奈 海渡

2005年9月

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