第40回水族館ネット句会 「鱒」「山葵」
◎◎◎◎○○○○ 山葵田に月光のさす子守唄 お軽
◎◎◎○ 聖パウロ昇天桜鱒遡上 九鼠
◎○○○○ 花嫁のブーケに今朝の花山葵 KUMI
◎○○○ 白山の水はるかより桜鱒 九鼠
◎○ 沢山葵なんにもないことつきつめる 洗濯機
◎○ 山葵漬ひとりの餉にも手を合わせ お軽
○○○○○○ 葉山葵のしづかなる風立ちにけり 海渡
○○○○ 鱒釣のまた釣れてゐる向う岸 KUMI
○○○ 夕風に対岸遠し花山葵 おるか
○○ 井のなかにさだまるすみか山葵擂る 洗濯機
○○ 鱒光る恋のおのこでありにけり 海渡
○○ 越後路の鱒鮨をかふ旅なかば ムンク
○ 牢屋敷過ぎて来たりし山葵漬 おるか
○ 鱒群れて離れて消えてしまひけり 明美
○ 2匹目の川鱒宙を飛びにけり 柚香
○ 愛されぬ指の間赤し鱒の寿司 おるか
○ 指先に山葵の辛さ残りけり ムンク
○ 湖風や姫鱒串に反り返る 柚香
○ 山葵田を潜りし水でもて炊ぐ 九鼠
○ 紅帯びし鱒の釣らるヽ日の中に 明美
○ 山葵田の水もて洗ふ山葵かな KUMI
○ こだはりの青茎山葵すり下ろす 真里子
○ 山葵田や水音まとふ古タイヤ 柚香
葉山葵を大野朝市売る老女 ふくさん
したたりのかずかさ動く桜鱒 洗濯機
鱒釣場へと銀輪のまつしぐら 真里子
淀みなき水のはぐくむ山葵の香 こはぎ
山葵田に溢るる水音杣ひとり こはぎ
山葵田の葉畳揺する雪解風 桑
鱒を釣る少年の目の水底に 桑
山葵咲く沢を遥かに会ひませう 真里子
花の夜も水落ちつヾく山葵沢 明美
鱒スシと焼き鯖ズシで花見かな ふくさん
対岸から子猿の覗く鱒釣り場 桑
山葵とり谷峠にて雪崩れあう ふくさん
道の辺に水ほとばしり山葵生ふ こはぎ
桜鱒口とがらせてゐたりけり お軽
摩り下ろす山葵のいろの鮮やかに ムンク
月澤のあまみふくみし山葵かな 海渡
投句のみ:明美、海渡、お軽
2005年4月